出版社内容情報
南京大虐殺のルーツ ベルギー大虐殺プロパガンダ
「復刊された100年前のプロパガンダの原典を再読することは、情報戦に打ち勝つために極めて大事なプロセスとなる。」
ージャーナリスト大高未貴
残虐宣伝の不朽の名著
民俗学者 柳田國男 原書翻訳
米国の反独世論に多大な影響を与えた風刺画多数掲載
「この一冊の本で、私のドイツ人観は一生歪められてしまった」陸軍参謀本部嘱託池田徳眞(十五代将軍徳川慶喜の孫)
第一次大戦中、ドイツ軍がベルギーで行なった数々の蛮行
これらはすべてデマ
「痛ましい状態の死体が山のように積まれており、独軍の一士官は一人の小さな子供を連れてきて、その頂に乗せ、子供の両足を死体の間に挟み、その陰惨な光景を写真に撮影した」
「母親が赤ん坊を抱いて通りに逃げてきた。赤ん坊は母の目の前で殺された。独兵らは母にその子を埋葬させ、それを見物して喜んでいた」
「ベルトリクスでは独兵らが青年と少女をその親の目の前で射殺し、その後二人を裸にして一緒に縛りつけ、藁に包んで火を放った」
「カレニョン及びブルージュでは、砲兵が住民たちをその巨大な攻城砲に縛り付け、離れたところから電気発火で発射した。
これらの不幸な住民たちはその爆音で鼓膜を破られ、大変な苦痛を受けた」
「ある司祭は、その教会の婦人たちの面前で裸で大砲に縛り付けられ、その状態で砲弾が発射された」
イギリスは実に巧妙に情報戦を仕掛け、自国に批判が及ばない仕掛けをしてきたことは歴史が証明している。
『是でも武士か』がいかにプロパガンダ戦術のお手本となりえたかは、陸軍参謀本部嘱託池田徳眞
(十五代将軍徳川慶喜の孫)が第一次世界大戦以降の欧米のプロパガンダを研究した著書『プロパガンダ戦史』(中央公論新社)
で述べた「この一冊の本で、私のドイツ人観は一生歪められてしまった」という言葉でよくわかる。
故にその斬新かつ強烈な内容から、日本の宣伝機関が対外宣伝の教科書としたのだ。
外国のプロパガンダに騙されないためには残虐宣伝の技法を理解する必要がある。
大高未貴「解説」より
内容説明
南京大虐殺のルーツ、ベルギー大虐殺プロパガンダ。
目次
1 ベルギー侵入以前(ドイツ、四条約でベルギーの中立を尊重 一八三一年より一九〇七年までの条約;ドイツ大臣の四回にわたる約束 二宰相の約束)
2 ベルギー侵入(ベルギー侵略される 卑劣と高潔との対照;ドイツの口実「フランスはドイツより先に侵入したであろう」 ほか)
3 ベルギー占領(占領中も続くベルギー人への虐待)
4 歴史的事実(ベルギー侵入、その動機の嘘 明らかになったドイツの真の目的;妨害された英独友好の努力 海軍交渉にまつわる奇怪な噂 ほか)
付録
著者等紹介
スコット,J.W.ロバートソン[スコット,J.W.ロバートソン] [Scott,J.W.Robertson]
1866‐1962。英国のジャーナリスト兼作家。農村問題に関する著書でよく知られる。いくつかの雑誌記者を経たのち、農村研究を名目に1915年に来日、1916年3月に駐日英国大使ウィリアム・カニンガム・グリーンの要請で日本向けの反独親英宣伝要員となり、プロパガンダ文書である『日本、英国及世界』、『英語と英国気質の研究』、そして本書の著者となった。英国の資金援助により翌1917年には日英語併記の月刊誌『The New East(新東洋)』(副題:東洋と西洋とにおける思想と自治問題)を創刊。1949年にオックスフォード大学から名誉博士号を取得
ラマカース,ルイ[ラマカース,ルイ] [Raemaekers,Louis]
1869‐1956。オランダの風刺画家。ドイツ軍のベルギー侵攻後、新聞紙上でベルギーにおけるドイツ軍の残虐行為を生々しく描写し、ドイツ人を野蛮人の如く描いた。作品は、オランダの中立を危険にさらすものとして政府から警告を受ける。その後活動の拠点を英国に移すと、作品展は大盛況となり、新聞に掲載された作品も話題となった。『Raemaekers Cartoons』は18カ国語に翻訳され、世界中に配布された。作品展も世界各国で開催され、その作品は画集、小冊子、ポスター、絵葉書、トレーディングカードとなって大量に流通した。米国でも二千を超える新聞数億部に作品が掲載され、米国における反独世論の形成に多大な影響を与えた。このラマカースの作品の世界的普及は、第一次世界大戦における最大のプロパガンダ活動とされる
和中光次[ワナカミツジ]
翻訳者
大高未貴[オオタカミキ]
ジャーナリスト。1969年生まれ。フェリス女学院大学卒業。世界100カ国以上を訪問。チベットのダライラマ14世、台湾の李登輝元総統、世界ウイグル会議総裁ラビア・カーディル女史、ドルクン・エイサ氏、パレスチナガザ地区ではPLOの故アラファト議長、サウジアラビアのスルタン・ビン・サルマン王子などにインタビューする。またアフガン問題ではタリバン全盛の1998年、カブールに単独潜入し、西側諸国ではじめてアフガン崩壊の予兆を報道(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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