出版社内容情報
内容説明
これは人権問題だけではない。虐殺と搾取を伴う植民地支配である。言葉を奪われ、宗教を奪われ、資源と食料を奪われ、人としての尊厳までをも奪われ、それでも独立国家「東トルキスタン」国民としての気概を失わないウイグル人の真の声がここにある。
目次
第1章 日本に生きるウイグル人として
第2章 東トルキスタンの三度の独立と挫折
第3章 幻の「防共回廊」
第4章 「新疆ウイグル自治区」の歴史と政治
第5章 強制収容所の実態
第6章 ウイグル文学と詩人たちの光と陰
著者等紹介
ムカイダイス[ムカイダイス] [Muqeddes]
ウルムチ出身のウイグル人。千葉大学非常勤講師。上海華東師範大学ロシア語学科卒業。神奈川大学歴史民俗資料学研究科博士課程修了。元放送大学面接授業講師、元東京外国語大学オープンアカデミーウイグル語講師。世界文学会会員。著書以外にウイグル語訳を手掛けるほか、ウイグル語のネット雑誌『探検』にて詩や随筆を多数発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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akiᵕ̈
46
以前Twitterで取り上げられて知ったウイグル問題。最近もユニクロや無印商品も巻き込まれ話題に。母国語や信仰している宗教を奪われ、常に監視され、500以上あるといわれている強制収容所に何かと理由をつけ収監されてしまう。Twitterに出てきた女性を含む証言者たちから語られる実態はあまりにも生々しい。これが「今」起きている現実だなんて。。。根の深さを感じてしまう。2021/07/25
けいご
40
ホロコーストは人類史の中でもう終わったものだと思っていたんだけど、現在進行形だったんだね...。こう言う時、1人の日本人として何ができるんだろう?日本で大量に出回っている安価な中国製品の裏側にどれだけの血が流れているんだろう?そう考えるようになりました。迫害され、虐殺される人々の上に咲く笑顔。笑うことの許されない世界が存在する事。今、この瞬間も僕の足元は汚れている事。それを自覚しなくてはいけないと思った1冊。2022/07/30
re;
26
始めは民族浄化的な問題なのかと思っていたが、調べれば調べるほどこれはれっきとした<戦争>なのだと知った。ウイグルの豊富な資源。広大な大地を奪うための侵略活動であり、ナチスのように世界中からの批判を避けるため死体を作らずに一つの民族を丸のみしようとする数々の政策は、誤解を恐れずに言うならば<非常にうまいことやっている>突拍子もない政策が、絶妙に巧妙で、世界的に崩せない牙城を築いているのだ。格ゲーでハメ技を決められてしまったかのようにもう抜け出せない状態になっている。2023/11/24
スー
26
28在日ウイグル人の女性の本です。筆者はウルムチで生まれ育った女性で街には色々な民族が住んでおり毎日色んな民族料理が食べられ友人には漢民族やモンゴル人いて文化的にも豊かであったがだんだん情勢が悪くなりウイグル人は立場は悪化し続けている。簡単な歴史と日本との関係そして豊富な地下資源の存在などの説明をわかりやすく書いてあります。強制収容所からの生還者やそこで働いていたウイグル人の証言は怖気が走る内容でした。ウイグルの水源を押さえ彼等を追い詰めるやり方は恐怖を覚える、前に日本の水源地帯が買い占められている記事を2022/04/05
朗読者
20
毛沢東が1949年から始めたウイグル殲滅政策が、今やメディカルジェノサイドとなりおぞましさを倍増させていることの告発本。このままではウイグル人は滅亡する。 1100万のウイグル人のうち300万人が強制収容所に入れられ、非人道行為を受けていることは米国や英国の報道の通りだ。 売り飛ばされている彼らの臓器は1兆円市場になっている。その儲けが収容所建設やAI監視システム設置への原資になっている。「彼らの油で彼らを焼く政策」だ。 ナチスを手本にしていることがよく分かった。ヘスやメンゲレが新疆にウジャウジャいる。2022/09/19