内容説明
戦後、GHQは何を恐れ発禁にしたのか?世に出ることのなかった“幻の教科書”。戦禍の拡大によりほぼ未使用の上巻、未刊行となった下巻をこの1冊に!日本が神国として戦った時代の理念を引き受けた歴史的な著作。当時の日本政府は、13~14歳の子どもたちに何を求めていたのか?
目次
肇国
皇威の伸張
大化の改新
奈良の盛世
平安の御代
京かまくら
建武の中興
室町と戦国
安土と桃山
幕府と大名
伝統の発揚
幕末の世局
明治の維新
国勢の発展
国威の宣揚
大正の御代
昭和の宏謨
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aisapia
13
読むのにものすごく時間を要した…。歴史なので初等科と内容は同じで、もっと掘り下げた内容。最後はまさに第二次世界大戦渦中であり、考えさせられた。結局明治あたりから米・英あたりが東亜を、世界を牛耳ろうとしていたけど日本はなんとか自国防衛を頑張っていた。けど結局周りの国を丸め込まれたりしてのっとられたという感じかな? 思えば西洋化がもてはやされているけど、西洋の東洋化って聞かないから下に見られていたんだろうなぁと感じた。勉強になりました!2022/05/07
KEI
8
昭和19年発刊、国民学校高等科(現在の中1〜2相当)向けの国史(日本史)教科書。個人的な歴史観は中道と自認しています。 当時の歴史教育の基となる教科書にはどのような記述がされているか追体験したく手に取りました。根底は天皇親政が最適とされていて聖徳太子、大化の改新、建武中興、明治維新の評価高く武家政治(北条執権、足利将軍、徳川将軍)の評価低いです。 歴史問題は様々な考えあると思いますが、当時の空気感知る意味でも興味ある方には読んでもらいたい2024/05/04
Falgorou
2
昭和19年7月に発行された現代で言う中学生向けの戦時中の日本史の教科書。格調高い漢語で綴られていて、当時の子供達はこんなにもレベルの高い教科書を充てられていたことに驚きを感じる。 戦局悪化と戦後のGHQ占領により幻の教科書となってしまったけれど、令和の世になり、こうして私の手元にやって来てくれたと思うと感慨深い。 現代の教科書との解釈の違いを楽しみつつ読了。色々考えさせられる内容であるが、これを読むと皇室の存在を誇りに思うし、日本人に生まれてきて良かったなぁと感じる。2022/09/12