内容説明
2000年以上続く世界最古の王朝の謎を探る今なお、色褪せない珠玉の歴史評論。科学は全て真実ではない。3分の1の事実をもとに3分の2の仮設で成り立つ。偽書として封殺された『富士古文書』や『上記(うえつふみ)』なども駆使しながら、なぜ日本に天皇という存在が生まれてきたのかを探る。決して上から目線で言い切らず、数々の傍証を提示し、読者の熟考を促す。始まったばかりの令和の御代。天皇とは何か、日本人とは何か、を考える国民の必読の書である。
目次
古代における民族の移動
日本民族の起源
『富士古文書』とその記録者徐福の使命
『富士古文書』の語るもの
『上記』の編纂史と古代文字
日本の古代を語る『上記』
両古文書の否定者は、だれか
「津田学派」に対する津田博士の反論
神武実在説の復活
天孫族と出雲族
古代の外寇と内乱
神武東征
縄文農耕論
天皇論
著者等紹介
林房雄[ハヤシフサオ]
明治36(1903)年、大分県生まれ。東大法学部政治学科中退。プロレタリア文学運動で活躍したが、昭和11(1936)年、転向して『青年』、『西郷隆盛』などを発表。戦後の代表作に『息子の青春』、『文学的回想』など。昭和50(1975)年、72歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かつおさん
17
神武天皇が実在したか否かはこの本からはよくわからなかったけど、現在、語られている古代の歴史は諸説、学説、解釈、想像、未だ未だたくさん解らないことがあるんだなぁと改めて思った。歴史の解釈があんなにも歴史学者の学派や政治背景などに影響されていることに少し驚いた。現代の日本人、日本人らしさ、天皇、神道などは縄文時代、古代から脈々と繋がるその起源にあるんだなぁ。ユダヤや渡来人から影響を受けながらも封建的な君主制の外に天皇をたててきた日本人が少し誇らしい。変らない、変えてはいけないことがある。2020/12/04