出版社内容情報
戦後80年、ここまで分かった「零戦」改良・発達の経緯
太平洋戦争緒戦において日本海軍の快進撃の立役者となった「零戦」こと零式艦上戦闘機。
同時代の他国戦闘機を上回る高性能を誇った名機・零戦は、改良による性能向上が図られた上、後継機の開発失敗により、さらなる改型が生み出されることとなった。
本書では航空史、軍事史、機械工業史研究家・古峰文三が、非公開のものを含む資料を渉猟し、得られた知見に基づいて「零戦」発達の過程を追う。
どうして零戦は改良され、多様な型式と派生型が開発されるに至ったのか?
各種の「どうして」に答えを導きながら、零戦発達の歩みを明らかとする。
【目次】
なぜ零戦の性能向上が必要とされたのか?
排気タービン装備実験の実態と目的
基地専用の水上戦闘機「二式水戦」とマル4計画
ガダルカナル島攻防戦が生み出したA6M3航続力不足批判「二号零戦問題」
零戦の発展を遅らせた生産計画の変更、中島飛行機でのA6M3生産延期
「応急解決型」としての零戦二二型
増産か、威力増大か? 二〇粍機銃の改良と問題点
零戦に残された課題を解決した零戦五二型
実際の飛行性能に謎がある零戦五二型
なぜ後継機「烈風」は成功しなかったのか?
強敵グラマンF6Fの登場とさらなる性能向上計画
零戦の生産終了と雷電増産計画 陸上基地航空戦重視へ転換した日本海軍
なぜ防御装備の導入は遅れたのか? 防弾タンクと自動消火装置
零戦再生計画 五三型の設計開始と水メタノール噴射装置導入延期の理由
戦闘爆撃機から体当たり専用機へ 零戦と特攻作戦の関係
なぜ零式練習用戦闘機はなぜ生まれたのか? 十五試練戦と十七試練戦
戦争後期の零戦生産計画と生産工場
三度検討された「金星」発動機への換装 零戦五四型
装備の統一と合理化 「昭和二〇年五月モデル」と最後の型式
堀越回想の「二〇試甲戦」は実在したか? 昭和二十年の次期戦闘機計画
零戦の価格は何円か? 変動する契約価格と価格算出方針
零戦の製造番号と生産数リスト
内容説明
太平洋戦争緒戦において日本海軍の快進撃の立役者となった「零戦」こと零式艦上戦闘機。同時代の他国の戦闘機を上回る高性能を誇った名機・零戦は、改良による性能向上が図られた上、後継機の開発失敗などにより、さらなる改型が生み出されることとなった。本書では航空史、軍事史、機械工業史研究家・古峰文三が、非公開のものを含む資料を渉猟し、得られた知見に基づいて「零戦」発達の過程を追う。どうして零戦は改良され、多様な型式と派生型が開発されるに至ったのか?各種の「どうして」に答えを導きながら、零戦発達の歩みを明らかとする。
目次
第一章 零戦の性能向上計画
第二章 理想の零戦とはならなかったA6M3
第三章 零戦の高高度戦闘機計画
第四章 水上戦闘機構想 二式水戦
第五章 零戦の発達を妨げた「二号零戦問題」
第六章 「応急解決型」だった零戦二二型
第七章 「応急解決型」から「根本解決型」へ 零戦二二型の改良
第八章 整理された零戦改良計画 零戦四一型と零戦五二型
第九章 太平洋戦争前半までの零戦の二十粍機銃
第十章 戦争中期の二十粍固定機銃
第十一章 零戦の落下増槽
第十二章 零式練習用戦闘機はどうして昭和十九年まで造られなかったのか?
第十三章 零戦を継ぐ戦闘機候補だった「雷電」
第十四章 「零戦の再来」とはならなかった「烈風」
第十五章 戦闘馬力とは何か?「老いた名馬」ではなかった零戦
第十六章 堀越二郎の手から離れていく零戦
第十七章 零戦再生計画 五三型と五二丙型
第十八章 零戦の「金星」換装計画
第十九章 零戦の防火装備
第二十章 零戦の本当の調達価格を推算する
第二十一章 最後の零戦シリーズ 六〇型
著者等紹介
古峰文三[コミネブンゾウ]
「ミリタリー・クラシックス」(イカロス出版)、「歴史群像」(ワン・パブリッシング)などで兵器開発史について執筆、原資料の探索を基に工業的視点から従来にない解説を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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