出版社内容情報
未だかつてこのような俳句集があっただろうか。
人間の真実、心の裏側、言葉にすることを躊躇ってきた思い……
それらをモノに置き換えて俳句として結実。
言葉を超えた言葉が、鑑賞者に鋭く挑んでくる俳句集。
鮮烈な感性が、オールカラーの誌面で炸裂する。
作者は、難解な言葉や概念の語句を組み合わせた所謂くっつき俳句とは全く違う発想で日常生活の中で自然に交される言葉や感覚をそのまま作品にしており、その一句の中には俳諧性とストーリー性が内包されている。
作者の俳句を中心に、鑑賞文・日本画・写真を交えて句の背景に迫る。
俳句結社「夢」の創始者であり、現代俳句協会重鎮として金子兜太会長を長く支えた前田吐実男(1925-2019)による鑑賞も多数掲載。
著者による、鑑賞の重要性と俳句の骨法について述べた俳論「感性を信じる」や、「非人称存在の俳句」に関する俳論も交えて、俳句文学を総合的に検証する。
写真:原田寛(星月写真企画)、日本画:福井良宏
目次
不思議と奇怪の世界へようこそ(ミスティリアス;キュリオス;オルガニズム;オネスティ;ヒューマニズム セクシャルリレーション)
感性を信じる
大鋸甚勇と「夢」句会(オンリーワンの俳句が目標;大鋸甚勇のオンリーワン俳句を楽しむ;非人称存在の俳句の魅力;だから「夢」句会は俳諧を選択する)
著者等紹介
大鋸甚勇[オオガジンユウ]
1942年富山県氷見市生まれ。「像」(高井泉主宰)同人を経て「夢」(前田吐実男主宰)同人。現在は「夢」(朧潤主宰)顧問。「ジェービィック俳句会」主宰。現代俳句協会会員。「短歌人」所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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