出版社内容情報
「超」怖い話4代目編著者としてもお馴染み、加藤一が紡ぐ年に一度のソロワーク「忌」怖い話。待望のシリーズ第5弾!
内容説明
「超」怖い話4代目編著者、恐怖箱アンソロジーの編者としてもお馴染みの加藤一が1冊丸ごと書き下ろす年に一度のひとり怪談。昭和40年代、高島平の板橋清掃工場脇の団地で起きた住民の連続死。病気、事故と死因は様々であったがその忌まわしき連鎖には因縁が…「団地」、ホタテ漁の漁師の家に夜突然上がり込んできた見知らぬ男。同じ漁師のようだが、海に落ちてからの記憶がないと言う…「漁師の家」、絶対にやってはいけない禁術のトランプ占い。従兄弟の頼みで占ってしまった少女は…「占いと猫」他、恐怖から不思議まで万華鏡の如く魅せる珠玉の全33話!
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』4代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
278
題名の小祥忌は一周忌の意味だとの事で本書の肝は「高島平団地で起きた住民の連続死」を取り上げた『団地』で帯でも強く推されていますが最近似た内容の物を書いて少し食傷気味ですので今回はパスしますね。これはよく出来た秀作ですが唯一点だけ猫ちゃんが可哀想で気の毒な話ですね。『占いと猫』小学6年生の大野さんはトランプ占いに凝っていて大半が女の子らしい可愛らしいものだったが、その中に「絶対にやってはいけない占い」という危険且つ不吉な物があり欧州を古くから旅する流浪の民の間に伝わる物で実際に行ってはならないとされていた。2021/06/19
HANA
56
実話怪談集。内容は実話怪談としては平均的、特に尖った話は無いが石も少ないので安心して読める。白眉はやっぱり「団地」かなあ。こういう一見平穏な日常の裏で何か得体の知れないものが進行しつつあるというのは大好きであり、皮肉で救いのない終わりも大好きである。他にもまさに骨になってもというか、妙に起こる事が生々しい「望まれたり疎まれたり」もいいな。怪談特有の「嫌さ」は少ないものの、実話怪談とはこういうものである。というような話が揃っているので、実話怪談という分野に興味のある人にも安心して薦められる一冊である。2021/03/22
さりぃ
17
#「忌」怖い話 小祥忌 #加藤一 KimdleUnlimitedで読了。 これも5/28発売と新しくて嬉しい。 今回は激怖い感じではないが印象に残るお話が多い。 『旧道の吸引力』『皆勤社員』『望まれたり疎まれたり』 『毛深く深く』『森の匂い』『団地』 が面白かった。2020/06/29
澤水月
13
三周くらい回っていま、この80〜90年代前半を思わせるような「自分の学生時代に実際に語り語られていた」雰囲気の怪談がイイ感じに「リアル」に思える。高島平の話もだが、禁忌の占いの話が妙に当時の時代を思い起こさせた。今は当たり前の医療にまつわる行動は「絶対に、何が何でも隠し通す」ものだったよな…など2020/05/29
qoop
11
年に一度の著者、単著。〈豪快な失せ物〉〈皆勤社員〉〈通いの居候〉等あえて怖さから焦点をずらした切り口はさすがベテラン。〈最敬礼〉〈毛深く臭く〉〈森の匂い〉のように不可解としか云い様がない話も上質。やはり語り口に特徴がある。装飾過多だったりソリッドだったりとその時々の流行とは異なり、伝統話芸のような味わいが感じられ、ある意味で安心して(怪談に対して変な表現だが)読める。2020/05/30