感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
3
男娼モンと捨て子のノラの恋物語かと思って読み進めていったら、ラストは意外な展開だった。 主人公のモンは、身体を売って疲れ果てて、自分を見失っていくけど、少年のノラはそんな彼を真っ直ぐに愛して、気を遣う。 「たくさん働けない」モンを優しく見守る。 絵のタッチも可愛くて、内容は悲しいところもあるのだけど、なぜか心が温かくなる。 「働けないものは価値がない」という冷徹な資本主義社会の現実がある。その中で絶望したとしても、ちゃんと生きていくためのかすかな希望を探ることができたような気がする。2020/04/09