内容説明
「拉致」が問題として世界に知られるまでに、誰かの意図があり、事実の発生があり、その事実が認識されねばならず、誰かが立ち上がり、誰かがそれを重視し、あるいは軽視し、誰かが省かれ、運不運があり、誰かの策が実り、あるいは実らず、相手の戦略と戦術があり、どこかで膠着し、どこかで突破があり、実現されない目標が残り、他の目標との衝突があり、ドラマの登場人物と観客が変わっていく。日本人がまだ十分その複雑さを意識できていない、この入り組んだ過程と、この「解決」の難しさと、この問題に世界が固執しなければならない理由を分析する。
目次
第1部 開始
第2部 風穴
第3部 第二歩未満
著者等紹介
村主道美[ムラヌシミチミ]
1957年山形県生まれ。B.L.(東京大学法学部)、Ph.D.(International Politics,Department of Political Science,Yale University)。過去Kennedy School of Government(Harvard University)フェロー、慶応大学総合政策学部非常勤講師、上海国際問題研究所客員研究員、復旦大学客員教授、北京大学客員教授。学習院大学法学部助教授を経て、同大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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