内容説明
『咒隠し』と呼ばれる奇祭のある山村、野指村。記者がそこで目にしたのは、生贄に見立てた人形の首を括り火をつけるという凄惨な祭祀だった…表題作「野晒し村」他、新居で多発する怪異の原因を探り辿り着いた悪夢「母たちの役目」、入ると呪われる廃屋に忍び込んだ少年を襲う恐怖「骨の家」、修学旅行で訪れた韓国の怪旅館「讐愕旅行」、祖母に禁じられた山奥に隠された真実「山の子供たち」の5話を収録。小説投稿サイト“エブリスタ”発、呪われた地の恐怖譚!
著者等紹介
湧田束[ワクタタバネ]
主な共著に『厭結び』(竹書房文庫)『狐の待つ対岸』(新潮社文芸誌yomyom別冊号)など
三石メガネ[ミツイシメガネ]
福井生まれ福井育ち。眼鏡会社に勤務していた
104(トシ)[トシ]
書店員。著書に自身の体験を記した『霊感書店員の恐怖実話怨結び』(竹書房文庫)。また、小説投稿サイト「エブリスタ」にて『Rule‐消滅教室』(講談社)の原案も手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
68
創作怪談アンソロジー。寒村の人知れぬ風習を描いた怪談は好きなので期待しつつ読むも、ある意味テンプレともいえる進み方で期待とは違うか。これならもっとおどろおどろしく魅力的に出来そうだけど。韓国旅行の話とか山の子供の話も実話怪談の文脈から出ていないように思えるし。期待以上なのは冒頭の「母たちの役目」かな。こういう過去の因縁に踏み込みそうでそれが何かわからない、結局何かが起きているのしかわからない。そういう因縁と怪談が程よくミックスしたの大好きであるから。各著者とも方向性は面白いので、今後も頑張って欲しいな。2021/11/04
Yu。
24
何も知らずに越してきた幸せいっぱいの家族の絆や希望を粉砕してしまう悍ましき土地に纏わる恨みの連鎖が描かれる「母たちの役目」。近所の廃屋に隠された秘密とは‥「骨の家」。お隣り韓国で起きた忘れようもない体験‥「讐愕旅行」。“戦争”は悲劇しか生まない‥「山の子供たち」。土着信仰と恨み‥「野晒し村」。といった五篇から成る恐怖劇場。。おもしろい!!お気に入りは、小野不由美『残穢』を思わす土地に巣食う怨念の起因を探る 三石メガネ「母たちの役目」。その恨みの埋め合わせは、更に恨みを増幅させる 湧田束 「野晒し村」。 2019/08/12
奈良 楓
9
【〇】小説投稿サイトなのでどうだろうと思っていましたが期待以上でした。踏み入れてはいけない地を舞台にした実話に近い短編怪談小説集5編。とある新築住宅にはいった家族が壊れていく「母の役目」と、とある村の得体のしれない風習を舞台にした表題作が気持ち悪かったです。2019/11/23
dotkawahagi_bk@だいたいホラー小説しか読まない
4
友人夫婦の新居はどうにも奇妙だった。新築のはずなのにどこか空気が淀んでいて、薄暗く感じる。ねっとりと纏わりつくような不快感。そして、その奇妙な感覚を肯定するように様々な怪奇現象が起こり始めた。 *** この本は二度目の読了。昔kindleで読み、書籍版を改めて購入したので再度読んでみた。 6年前に読んだ時も、冒頭の話が怖くて気持ち悪いといっていた様子。あの時から、恐怖するジャンルは変わっていない様である。 全体的にホラー小説テイストという風体で、実話怪談ではない。2025/05/18
かつどん
4
4人の作者による5つの短編集。一作だけ実話と書かれていたが、眉に唾つけながら。しかしこんな学校や先生は実在するのかもしれないという点でも妙に怖かった。2019/04/04