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内容説明
海神の国の新帝シキは、敵国テルスに身を差し出し、戦を収める。それは、狼を始祖とするガイウス王の妃となることと同一だった。国のため、民のため、と散らされるのを拒む花のように矜持を保とうとするシキを、ガイウスは獰猛な愛撫で踏み躙る。次第にシキの肉体と魂はガイウスに搦め捕られていき…。しかし、意図せず距離を縮めてしまったふたりには昏い闇が忍び寄っていた。呪われた獣王の妃は死ぬ運命にあるという―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nono
41
BL。海神の国のシキと、敵対する獣王のガイウス。国の命運をかけて体を差し出す始まりは切なくも激しい愛に変わる。二人ともに情を伴わない関係がいつしか離れがたい存在になる幸せ。獰猛で傲慢なガイウスも、ちょっと世間離れした高貴なシキも恋に一途に、しかし政事にも前向きな姿勢に好感。スピン作を期待出来そうな登場人物も多いので是非続きをお願いしたい。重厚な始まりでしたが国と立場を越えた純愛、楽しく読了。2017/11/02
辺辺
36
大変面白くて大満足な一冊です。シリーズ作品となるらしいが、今回は水と火の物語のようだ。賢い帝のシキが大変魅力な受で、に対して対となる獣王のガイウスも実は情の深い攻で、最後は良きパートナーとなれてホントに良かったです。っで、いつものように沙野作品に良く登場するやや悪趣味(というより病んでる?笑)なキャラが空人の族のユアハで、こちらも結構お気に入りで、報われないシキの乳兄弟であるハヤトとなんとかCP成立しないかな?これも一冊纏めて読みたい。一応シキとガイウスの話は終わったが、次男、三男の話が楽しみで待ち遠しい2017/01/30
わんコ!
22
沙野ワールド全開のファンタジー。独特の世界観の割に淡々と進む。ちょっと詰め込み過ぎなとこもあるけど、面白く一気読みでした。もうちょいラブかあればなお良かったなー。電子で。2017/03/12
Kira
19
再読。ワダツミ三部作を全部読んだ上で再読すると、いろいろ腑に落ちて面白かった。はじめは残忍な感じのするガイウスが、恋する男に変わっていく描写がよかった。展開がはやくて、ラブ・シーンもたっぷりあるので大満足の読み心地。さらに、イラストが眼福で見とれてしまう。2023/01/22
Kira
19
5/5 個人的に好みのファンタジーで楽しかった。まず、恋人たちの名前が好き。獣の民の呪われた王ガイウスと海の民の気高き帝シキの物語。国を救うために降嫁したシキはいつしかガイウスに惹かれ、シキを愛し始めたガイウスは人の心を取り戻す。呪いによってシキを失うことを恐れたガイウスの想いに、シキが口づけで応えるシーンが美しくてため息が出た。幻想的なイラストが物語にぴったりで眼福だった。2017/04/25