内容説明
四人で百の怪を語る禁忌。読めば、最後に「何か」がやってくる…鳥肌の書き下ろし実話怪談!
目次
御挨拶
ナイロビジャンパー
現代的魔女
怒られる
初めてのお使い
ペチコ
狐
虹稲荷
ご飯ください
金髑髏〔ほか〕
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』四代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
154
四人の実話怪談作家の競作による百物語ですが、本書では何と神沼三平太さんが3/4強の77編も書かれていまして歴然たる圧倒的な筆力です。今回は私が心から震えた最恐作を紹介しますね。『顔橋』神沼三平太:戦後十年も経っていない頃の話で河原さんは弟と山に遊びに行って道に迷い真っ暗になって遠くに灯る火の側に行くと人間より大きな毛むくじゃらの男と会う。男は「お前か背中に背負う方のどちらかを置いて行け」と言うが、河原さんが「嫌だ」と断ると「そうか、ならばこの道を歩け」と返す。それは地面に人の顔が連なる奇妙な顔の橋だった。2020/10/10
澤水月
29
印象的で怖い話が全て神沼三平太氏ので驚き。よく見るとほぼ単著と言えるほど多く書いてる。今の自分住居すぐ近く、歴史的にも曰く深い都内某所の一連の怪談が興味深い。あそこらはヤバイ。たまたま最近人気ホラー2本足し映画見たせいかそれぞれのモンスターに似た霊がいたような… 顔橋は嫌な話、旅支度はいい話。ダイビング怪談も怖。怪談と違うが恐ろしい話をフリーダイビング(素潜り)第一人者に取材したことがあり深く考えさせられた。深海では死への誘惑に襲われたり幻覚幻聴に招かれる…そう考えると有名映画のラストの解釈は決まるなあ2016/08/01
ラルル
24
共著ですが、神沼三平太さんが圧倒的に多いです。神沼さんの話ってレパートリーに富んでますよね。変な話、怖い話、ありがちな話…と、色んな意味で「誰が書いた話かな?」と目次を見返してしまうのは皆神沼さんの話でした。百話なので1話も短く、読みやすくて良かったです2018/02/26
柊よつか
9
恐怖箱の百物語シリーズ。折角の夏で百物語なのだし、少しでも形式に則り一夜の内に読破してみようと思ったのだが、途中で寝落ちたり何だりで叶わず。まろやかさと辛味を兼ね備えたこの方々の百物語なら初の一夜踏破にぴったりだと思ったのだが、何かの危機回避かもと都合良く捉えておく。 印象的な話は、童話のような不気味さ「花の名前は知らないけれど」、理不尽でつらい「顔橋」、表題にくすっときた「たぶんコンソメ味」、こういうのは嫌「穴埋め放送」、こういうのも嫌…と思いきやちょっと可愛い「走手」、続きはコメント欄で。2016/08/10
qoop
9
四人の共著ながら、さながら単著であるかのように大半を担当しているのは神沼三平太氏。ミニテーマに沿いながらバラエティに富んだ氏の作品は、驚くほど印象的なものが多かった。〈ナイロビジャンパー〉〈金髑髏〉〈白い手〉〈駅前のマンション〉〈土偶〉〈三脚〉〈ネカフェ〉… 一冊中、ここまでリストアップすることもあまりない。そんな中で高田公太氏の〈第三〉〈声〉〈ビンゴ〉なども忘れがたい。好著。2016/08/01