内容説明
劣悪な環境の工場で働く男。夜勤時に不思議な男を見かけるが、その驚愕の訳を知る時「油壺メリーゴーランド」、中国の観光地で垣間見た陰惨なモノ「紫禁城」、登山に行った山で遭遇した怪異、そしてそれは終わらない…「鷲羽岳奇譚」など、26編を収録。読んだあとに身体の奥にしこりが残り、じわじわくる怪談実話集。
著者等紹介
真白圭[マシロケイ]
新潟県出身。『怪談実話コンテスト傑作選 痕跡』(文庫ダ・ヴィンチ)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
185
今更ながらに気づきましたが、著者の名前は「まっしろけ」と読めて「まっくろけ」とは真逆の生真面目な清廉潔白のお人柄を示す様な誠にドンピシャだよなという感じを受けますねえ。近年は高齢者の登山ブームなのだという台湾の方から聞かれた不気味な山岳怪談2題ですね。『台湾の山登り』その1.トリコロール:地元の登山会の会員の信衝さんは台北県のとある山に登り仲の良い同年代の寡黙なMさんと一緒に歩いた。雨の中を進む二人を途中でリュックサックを背負った登山者が追い越して行く。少し歩くと、またすぐ脇をすっと誰かが通り過ぎて行く。2021/01/21
眠る山猫屋
52
読み友さんも語っておられたが、今作では台湾・中国の方の怪談が新鮮で、なおかつ響く。ある意味〝本場〟の怪談への対応が興味深い。大人の対応というか…。より日常感がある。「ああいうのに関わるとろくなことにならないからな」なんて軍人の上司に言われたら…。 最後に子猫の切ない家族愛を持ってくるのはズルい(笑)2020/06/26
HANA
49
実話怪談。内容が割とありきたりな話が多い上、一つ一つの話が冗長な気がする。単に幽霊が出る話等では驚けなくなった自分がなんだかなあと思ったりもする。ただ怪談とは興味のベクトルが違うんだけど、台湾の話は面白く思えた。防犯カメラにだけ映る幽霊とか怪談としては割とありきたりだが、何となくエキゾチズムを感じるというか何というか。以前読んだ『怪の地球儀』でも感じたのだが、各国の恐怖を感じるポイントのズレというのは妙に面白い。次は是非とも台湾とか、アジア独特の怪談とかそっち方面というものを読んでみたいものである。2015/10/30
ネムコ
20
競作物では顔見知りの真白さん。そつのない文章と、飽きのこないバラエティーのあるネタで楽しませてくれます。でもなぜか、読んだ後の印象が薄いんですよね(^_^;)2019/08/23
澤水月
18
フラゲしたのに全然読み進まなかった、竹で読みやめたいとまで思うの珍しいかも…長く感じる。いつ終わるのかと。だが後半の中国人や台湾などの話がどれも興味深い、こちら方面活路見出した方がよくないかな2015/10/04