内容説明
シリアへ上陸してすぐに襲撃され、追いつめられたダニーを救ったのは意外な男だった。彼の部下である傭兵たちと共にミッションを続行するダニーだったが、彼らの残虐な振る舞いに対して次第に不信感を募らせる。そんな中、バッキンガムがアシューと和解の約束を取りつけ、ソーゲンの居場所を聞き出すことに成功する。なんとかミッションを達成できるかに思えたが…。同じ頃、ソーゲンに保護されたクララは、さらなる苦難に直面していた。極秘ミッションに隠された恐るべき真相とは?戦うべき宿命を背負ったSASダニー・ブラックの決死の活躍を描く冒険アクション!
著者等紹介
ライアン,クリス[ライアン,クリス] [Ryan,Chris]
イギリス軍特殊部隊SAS元隊員、作家、セキュリティコンサルタント。1961年ニューカッスル近くの村で生まれる。1984年にSASへ入隊。約10年間、極秘任務を含む数々の作戦に従事し、対テロチームでスナイパーの指揮も務めた。湾岸戦争では8人のチーム中ただ1人、シリア国境の砂漠を300km踏破してイラクからの脱出に成功した経験を持つ。この功績によりライアンは戦功勲章を受け、3年後の1994年に退役した。引退後、イラクからの脱出行の経験を綴ったノンフィクション『ブラヴォー・ツー・ゼロ 孤独の脱出行』(原書房)が、ベストセラーとなり映画化もされた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yoko
15
巷で作者は拷問の様子を書かせたら右に出るものはいないと評されているとか。敵味方関係なく情け容赦ない描写です。でも現実は確かに正義は必ず勝つなんてものじゃないし、その正義さえ主義主観次第でどうにでも歪められるもの。絶体絶命の状況の連続の中、主人公に一貫しているのは任務を遂行するという不屈の意志。超人じゃないんですよ、弱点も持ってる。さらにヘタレキャラが徹底的にヘタレていて良いっ!思わぬ続編もあってニンマリです。クリス・ライアン、すごい人だー。2016/08/04
羊山羊
9
頼りにならないバッキンガムと旧友タフを共に先を急ぐダニー一行。しかしその先には幾重にも重なる勢力争いと激闘が待っていた。なんと報われない、そして金と欲にまみれた戦い。その戦いが、ダニーを容赦なく危機に追い込んでゆく。ラストの因縁の相手との決着のシーンの意趣返しの虚しさは必見。いや、面白いシリーズです。そしてどんな状況でも最善のために諦めないダニーに脱帽。素敵な主人公だ。王道冒険小説らしいタフさと、人間らしさを捨てきれない主人公像に夢中です。満足!2020/12/17
ゆーぼー
6
オペレーション遂行中に明かされたダニーとタフの衝撃的関係が、ダニーに重大な決断を下させた。 実戦経験者である作家だけに、誇張を排した状況描写がリアルに伝わってきた。 戦場となっている中東では、暴行、殺人、略奪、レイプが日常茶飯事のように発生しているようだ。 読了後に漏れた溜息は「日本人に生まれて良かった」だ。 それにしてもバッキンガムの野郎には腹が立つ(笑)2015/12/07
かんとり
4
面白くない訳ではないが、SASものとしてはいまひとつでしたね~。 もう少しひねりがあっても良かったと思うが、描写も単純、サクサク読めますからそれなりに楽しめました♪2015/08/12
ソルケン
3
ダニーブラックシリーズ第一作目。物語の主軸の主人公が母親を殺し父親を身障者にした犯人を倒し精神的に自立する点は、ブレがないので安心して読める。当然続編もあるため憎まれ役のバッキンガムは生き残る。タフおじさんがカネの為に戦っていると語るシーンとダニーが両親の仇を討つシーンが印象に残った。問題は、続編から肝心の物語の主軸が弱くなってしまうのが難点か。