内容説明
天災、政治的混迷、出世競争、人間関係…鴨長明が挫折の中で見出した不安な今を楽に生きる考え方。日本三大随筆の一つ『方丈記』がわかりやすい口語調で読める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mihoko
5
楽に読めます。字大っきい、編者の主観たっぷり含有されていますが、手っ取り早く「方丈記」って!「鴨長明」って!何言ってたの?を理解できる。2021/11/13
Tatsuya Kusakabe
0
養老孟司氏が最も好きな古典、ということで興味を持ち、解説書を手に取りました。前半は本当に、現代にも通じる天災や人災(火事、地震、政治の腐敗、首都への一極集中…)が遍くカバーされていますね。それらを超然と見つめる鴨長明は、俗世では煙たがられるでしょうが、私は憧れます。最も印象に残ったのは最終節、世俗に執着するなと語る私も、結局は自伝に執着しているではないか、との独白。ここで一気に鴨長明のファンになりました。超然的な人ほど、自らの俗っぽさ(弱さや愚かさ)を隠そうとするものですが、その点で鴨長明は素直ですね。2024/08/31
RUN
0
帯に書かれた「不安な今を楽に生きる考え方」のフレーズに流されて読みましたが、鴨長明=繊細な人というイメージがついて、楽に生きる考え方の参考にはほど遠かった。 ただ、超口語訳だけあって、驚くほど読みやすくて、高校の授業で触りを知って数十年が経ち、初めて方丈記を読了した気分になれたのは良かったし、興味のある話題があれば原文を覗き、「ありをりはべりいまそかり」を懐かしむこともできた。2022/02/06