内容説明
大量虐殺や人体実験などの事実から、「史上最悪」「極悪集団」といわれてきたナチス。だが記録を検証すると、彼らは暴力的な方法だけで民衆を取り込んだわけではないことがわかる。ヒトラーによる派手な演説、一般庶民に優しい政策、お祭りような党大会、他国の首脳にしかけた心理戦、ラジオやテレビを駆使した大々的な宣伝―あらゆる分野でナチスの陰謀を暴く!
目次
第1章 ナチスのプロパガンダ(ヒトラーの天才的演説テクニック;「ハイル・ヒトラー」のかけ声と敬礼 ほか)
第2章 ナチスの科学(最先端の飛行船ヒンデンブルク号;世界初の定時テレビ放映 ほか)
第3章 ナチスの人心掌握術(労働者の不満を解消する;失業者を救ったアウトバーン建設 ほか)
第4章 ナチスの軍事力(撃ち落とせないV2ミサイル;世界初の実用ヘリコプター ほか)
第5章 ナチスの政治力(英雄ヒンデンブルクを懐柔する;非武装地帯進駐の賭けに勝つ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AnmitsuK (うろ覚えムーミン)
1
まえがきに「あなたはこの洗脳に抵抗できるだろうか」との問いかけがある。読み進めていき、その問いかけへの答えは「無理」に行き着いた。もし自分が当時のドイツに生きていたら、間違いなくナチ思想に染まりきり、障害者や精神病患者、ユダヤ人を差別する、自覚なき外道になっていただろう。あまりにも巧妙で、それゆえに恐ろしい。ところで、ナチスが国家の危機への備えをとなえて作った「全権委任法」って、どこかで同じようなものが作られていますね。なんか「緊急事態条項」っていう名前なんですけど……2016/07/12
入江・ろばーと
1
世界史人のナチス特集で読んだこととほとんど内容は被ってるけど、やっぱり色んな意味で凄かったんだよな。「間違った」方向にさえいかなければ……2016/05/23