内容説明
トロツキスト、ダンサー、実験映画作家、ヴードゥーの研究者にしてその根っからの信奉者…。現実と夢幻のはざまを鏡像のようにゆらめく激しい生のなかで、何を見つめ、何を求めていたのか。代表作『午後の網目』から人類学的な著作『聖なる騎手たち』までを含む全作品を網羅し、知られざる全貌を明らかにする。
目次
1 トロツキズムからハイチのヴードゥーへ(マヤ・デレン誕生前夜;キャサリン・ダンハム―多大な影響を与えた舞踊家;ヴードゥーにかける途方もない情熱―四回にわたるハイチ滞在の背景)
2 白い暗黒―祭祀、憑依、芸術論(『聖なる騎手たち―生きているハイチの神々』―ヴードゥー調査・研究の渾身の成果;「宗教と呪術」―ヴードゥー信仰の核心に迫る;『芸術、形式、映画についての思考のアナグラム』―論理を張り巡らせた芸術論・映画論)
3 映像は何を語っているのか―「作品」としての映画分析(『午後の網目』―夢であり現実であり…真実は双方のなかに;『陸地にて』―官能的な違和の感覚;『カメラのための振付けの研究』―超短編に込められた先駆性;「変形された時間での儀礼」―周到にモンタージュされた儀礼(リチュアル)としての構造
『暴力についての瞑想』―流麗な動きに秘められた暴力とは?
『夜の深み』―最後の映画/星空を垂直的に)
著者等紹介
石井達朗[イシイタツロウ]
舞踊評論家。私立ニューヨーク大学(NYU)パフォーマンス研究科研究員、慶應義塾大学教授、州立ハワイ大学・愛知県立芸術大学・お茶の水女子大学・早稲田大学などの講師を経て、慶應義塾大学名誉教授。専攻、韓国、中国、インド、インドネシアなどの祭祀、伝統舞踊、現代舞踊のフィールドワーク、およびジェンダー・セクシュアリティからみる身体文化、サーカス、脱領域的パフォーマンスアート。ソウル、束草(韓国)、北京、マニラ、ニューヨーク、メキシコシティー、ヴェネチア、レッチェ(イタリア)などで、日本のコンテンポラリーダンスや舞踏について講演を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
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