内容説明
“台詞/ロゴス”から“身体”への転換点。18世紀に演劇的な筋立てをもつ舞踊作品が流行し、その動向は舞踊史において“バレエ・ダクシオン”と名付けられる―。コンディヤック、ディドロの言語論、メネトリエ、カユザック、ノヴェールの舞踊論をひもときながら、舞踊がひとつの芸術ジャンルとして確立する背景を丁寧に辿ることにより、“身体で語る舞踊”がいかにして誕生したのかを美学的視点から追求する。
目次
第1部 十八世紀フランス言語論の動向―言語概念の拡大と芸術(コンディヤックの言語思想―『人間認識起源論』における二つの言語;「台詞」から「パントマイム」へ―ディドロの演劇改革と言語歴史論)
第2部 十七世紀バレエ・ダクシオンの芽生え―舞踊の模倣芸術化(メネトリエの「像の哲学」―隠す精神と技;メネトリエのバレエ論―バレエのための『詩学』と構想の統一)
第3部 十八世紀バレエ・ダクシオンの興隆―新しい言語の追求(カユザックのバレエ論―デュボス批判と新旧舞踊論争;ノヴェールのバレエ論―新しいアクシオン概念)
著者等紹介
川野惠子[カワノケイコ]
東京生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、名古屋大学高等研究院/人文学研究科特任助教。専攻、十八世紀フランスを中心とした美学・芸術学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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