内容説明
少女の視点から世界の残酷さとシングル・マザーの寄る辺なさが浮かび上がるアニーバル・マシャード「タチという名の少女」、20世紀ブラジル社会の活力と喧噪を伝える全12篇。
著者等紹介
岐部雅之[キベマサユキ]
京都外国語大学大学院外国語学研究科博士後期課程満期退学。現在、京都外国語大学講師。専攻はブラジル文学
伊藤秋仁[イトウアキヒト]
京都外国語大学大学院外国語学研究科ブラジルポルトガル語学修士課程修了。現在、京都外国語大学教授。専攻はブラジル地域研究、ポルトガル語学
神谷加奈子[カミヤカナコ]
愛知教育大学教育学部卒業。翻訳家
平田惠津子[ヒラタエツコ]
カリフォルニア大学ロサンゼルス校、C.Phil.degree。現在、大阪大学大学院教授。専攻はブラジル文学
モッタ,フェリッペ[モッタ,フェリッペ] [Motta,Felipe]
大阪大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。現在、京都外国語大学講師。専攻は日系ブラジル移民史、移民研究、国際日本学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヘラジカ
56
文化的にも巨大で複雑な国ブラジルのあらゆる面を、良質な短篇によって体感できる貴重なアンソロジー。これだけの作家、作品数でもブラジル社会の性質や空気、そこに生きる人間のロマンスやパッションを垣間見ることが出来る。官能的なカーニバルと暴力が結びついた「サンバガールの死」、サッカーに対する熱い思いとスポーツマンシップを清々しく描いた「エスペランサ・フットボールクラブ」、家族内の小さな不条理が経済や政治への歪みを示唆する「嘘の顛末」がお気に入り。異国を知るのに最良なのはまずアンソロジーを読むことではないかな。2023/04/17
ねむ
18
ブラジルの作家6人による短篇12篇。サンバやサッカーといったいかにもブラジルらしいモチーフが出てくるものから、どこの国でも通用しそうな家庭内の話や恋の話。それでもやっぱり、ブラジルという国の輪郭がぼんやりと見えてくるのがおもしろい。行ったことのない国だけど、そこに流れる空気のようなものが感じられる。作家も訳者も複数なので、私にしてはめずらしく、わりとはっきり作品ごとの好き嫌いがわかれた。「あるクリスマス・イブに」が一番好き。2023/05/10
まこ
7
タチというなの少女は終盤で舞台が1937年と分かった為、父親がいない理由に高層ビルを考え直す必要がある。結婚や親元を離れて暮らすことと、ブラジルの女性が関わる問題を扱った話。複数の視点を行き来する話が特徴的。2023/04/28
s_ueno.201-3
1
都会と地方、祭り、因習など、思ったよりも日本社会との共通点をたくさん感じとれた2023/04/22
k
0
1編目が輝きすぎてる! いろんなテイストのものがあるけど、全部なんとなく好き。 岐部雅之さんの訳がいい。あと、装丁がさいこー2024/04/14