内容説明
スペイン民族のアイデンティティの起源を、十三世紀初頭における三つの血統―キリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ人―の間の共存と緊張関係のなかに求め、ヨーロッパ人とは異質のスペイン人の血統主義の様相と、サンティアゴ信仰の実相をも明らかにする。
目次
問題の設定―架空ならざる現実を求めて
三つの宗教的血統が織りなす結果としてのスペイン人
不確実性と確実性の歴史
理論的仮説―問題の設定
ローマ・ヒスパニアにも西ゴートにもスペイン人は存在しなかった
スペイン的生を構成する状況としてのアル・アンダルス
スペイン的生におけるイスラムの直接的にして遠い影響
より良い社会秩序を求めて―願望と現実
ヨーロッパ・キリスト教の反応―ガリシアのサンティアゴ
サンティアゴ―国際的魅力
キリスト教の三大騎士団のイスラム的視界
補遺 「聖なる」戦い(Guerra“divinal”)
著者等紹介
カストロ,アメリコ[カストロ,アメリコ] [Castro,Am´erico]
1885年に生まれ、1972年に没する。現代スペインを代表する歴史家・文芸批評家
本田誠二[ホンダセイジ]
1951年、東京に生まれる。東京外国語大学大学院外国語学研究科(ロマンス語系言語)修了。現在、神田外語大学外国語学部教授。専攻、スペイン黄金世紀文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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