感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
54
題名からだと陰惨でどんよりした話なのかと思いましたが驚きでいっぱいの28篇でした。内容、文体、ともにバラエティに富んでいます。皮肉っぽい風刺、SF、怪奇、歴史…。いささか詰め込み過ぎで頭が追いつかない気分になりました。『ヴェラ』は別格ですが、孤高の貴族、集団として正しくない気分に流れる大衆との対立を描くものが印象に残ります。訳文は平明かつ格調高く仕上げてあり、訳注や解説も丁寧でわかりやすくなっています。貴族の血統への矜持と実際には困窮する資産問題に悩まされた作者の立ち位置がうかがえる作品たちでした。2022/04/12
刳森伸一
4
アンソロジーによく所収される『ヴェラ』の印象が強く、この本全体が怪奇幻想系の短篇集だと勝手に思っていたが、実際にはアイロニーに満ちた社会や人類に対する批判的な短篇が多く、リラダンが社会派だったことを知る。特にSF風味の作品も多く、同年代のジュール・ヴェルヌと共に紹介されてもいい気がした。2022/09/03
warimachi
3
訳が読みやすいし、註や解説も丁寧。続刊もこのクオリティでお願いしたい。2021/12/17
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