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内容説明
アチュアル族のインディオとの出逢いをきっかけに、地球規模で広がる四つの存在論を横断し、非人間をも包摂する関係性の分類学を打ち立てる―。近代西洋が発明した「自然/文化」という二分法を解体し、人類学に“転回”をもたらした記念碑的著作。
目次
第1部 「自然」の騙し絵(連続体の諸形象;野生と家庭;大分割)
第2部 経験の構造(実践の図式;自己との関係/他者との関係)
第3部 存在の配置(アニミズム再考;存在論としてのトーテミズム;ナチュラリズムにとって確かなこと;アナロジーの眩暈;項・関係・カテゴリー)
第4部 世界の用法(集合の創設;習俗の形而上学)
第5部 関係の生態学(繋がりの諸形態;霊魂の交渉;構造の歴史)
可能事の目録
著者等紹介
デスコラ,フィリップ[デスコラ,フィリップ] [Descola,Philippe]
1949年、パリに生まれる。文化人類学者。サン=クルーの高等師範学校を卒業後、クロード・レヴィ=ストロースに師事し、社会科学高等研究院で教鞭をとる。現在、コレージュ・ド・フランス教授
小林徹[コバヤシトオル]
1975年、東京都に生まれる。パリ第一大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。専攻、フランス現代哲学。現在、龍谷大学文学部哲学科哲学専攻専任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
人間の持続的介入で自然が人間世界に猛威を振るうようになった人新世に、著者は人間中心の世界を作り、自然を対象化する科学技術を行使して人間の世界を拡張してきた対立的自然観を他の自然観の中に置いた。本書は4つの自然観を提示し、その特徴を内面性/肉体性に対する価値づけ(類似+/差異-)において区分する。アニミズム(+/-)、トーテミズム(+/+)、ナチュラリズム(-/+)、アナロジズム(-/-)の中で、西洋起源の対立的自然観はナチュラリズムとして相対化される。が、重要なのはこの4区分が存在論自身を多元化する点だ。2024/09/17
鵐窟庵
6
とにかく濃厚な大著だった。二段組で600頁弱でほぼ一ヶ月付き合っていたが、読み終えた後の爽快感と明瞭感は今までに体験したことのない強度を持ったものだった。本書は間違えなく21世期の古典の人文書の一冊となるに違いない。さて、本書はレヴィ=ストロースの弟子である人類学者のフィリップ・デスコラが、それまでの文化人類学の大転回である存在論的転回の契機となった書である。具体的には、アニミズム、トーテミズム、アナロジズム、ナチュラリズムと言った四つの世界の諸事物の同定様式・関係様式の存在論を大枠として議論していく。2020/04/10
らんぼ
1
我々はどうしてもナチュラリズムの世界観から逃れられない。本書が示すその他の存在様式は、我々の持つ自然/文化という二元論が、決して絶対的なものではない事を明らかにする。 人類学の目的は、異国の人々の暮らしを色眼鏡なく伝えるだけでも、その文化、考え方こそユートピアだと称賛することでもない。人類学のやり方で他者を知ることに何らかの意義を求めるとすれば、自らの身体の可塑性を高めること、変容の可能性に常に身体を開くことにあるのだろう。2020/10/19
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