内容説明
1848年、メキシコは分断され、アメリカとのあいだに国境線が引かれた。“チカーノ”の物語はそこから始まる。彼らの「文学」とともに「境界線」の意味について考え、私たちの来るべき社会を透視する。
目次
1 境界線を溶かす言葉の力―イラン・スタバンス
2 ロードという境界線―サルバドール・プラセンシア
3 境界線を越えゆく亡霊たち―英雄、風景、死の共同体
4 日本とメキシコの境界線―サウスウエストへの旅
5 近代化に抗するテクスト―アントニオ・ブルシアーガ
6 境界線の再魔術化―ギリェル・ゴメス=ペーニャ
7 境界線の詩学―アルフレッド・アルテアーガ
8 事実と虚構の境界線―ホワイトネスと混血
9 ボーダーランズの構築―アメリカスと不法移民
10 “沈黙に宿る風景”“アーバン・トライブ宣言”
著者等紹介
井村俊義[イムラトシヨシ]
1964年、長野県諏訪市に生まれる。慶應義塾大学文学部・法学部を卒業後、国際会議の運営、学習参考書の編集等にたずさわる。その後、予備校の講師を続けながらアメリカ南西部やメキシコ、東南アジア等を旅する。日系人とチカーノについて研究するために中部大学で今福龍太氏に師事。名古屋大学大学院国際言語文化研究科博士課程満期退学。大学非常勤講師を務める傍らチカーノを探求し続け、2012年から長野県看護大学准教授。専門は、文学・民俗学・文化人類学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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