出版社内容情報
ソシュール思想の解釈・展開を足掛かりに、現代哲学において長らく等閑に付されてきた根源的主題=「意味」の問題をあらためて問う。哲学は「真理」の探究だが、20世紀哲学は、人文・文化・歴史科学とともに、「真理」に先立つ「意味」の次元を開闢した。ソシュール(「言語」)とハイデガー(「真理」)の間から広がり、フランス20世紀思想史の中軸を貫き、これからのグローバル・デモクラシーの普遍的媒介項となる「意味」の地平。すでに始まっている「意味」批判の思惟をも包摂しつつ、この「第四の地平」の開削に着手する。
中田光雄[ナカタミツオ]
著・文・その他
内容説明
哲学は「真理」の探究だが、20世紀哲学は、人文・文化・歴史科学とともに、「真理」に先立つ「意味」の次元を開闢した。ソシュール(「言語」)とハイデガー(「真理」)の間から広がり、フランス20世紀思想史の中軸を貫き、これからのグローバル・デモクラシーの普遍的媒介項となる「意味」の地平。すでに始まっている「意味」批判の思惟をも包摂しつつ、この「第四の地平」の開削に着手する。
目次
序 意味とは?
第1部 ソシュールと現代思惟―意味はいかにして可能となるか(ソシュール言語思想と意味問題;意味の成り立つところ―到達点と出発点;現代思惟と意味問題;ソシュール言語思想:「脱‐意味」か、「原‐意味」か―言語論的・記号論的・情報論的‐規定に向けて)
第2部 「脱‐意味」「非‐意味」「反‐意味」の思惟―意味はいかにして不可能たりえないか(「意味という病」「意味に憑かれた男」―柄谷行人;「意味への抗い」―北田暁大;「意味の穴」「意味の以前」―バルト;「意味の可能と不可能」―ブランショ、湯浅博雄;「外の思考」―フーコー;「ノンセンス」「ナンセンス」―高橋康也;「脱‐意味」「反‐意味」「無‐意味」論の帰着するところ)
結 人間・意味・脱‐意味
付論 「虚構、偶然性、投擲」―マラルメ、菅野昭正
著者等紹介
中田光雄[ナカタミツオ]
1939年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒。同大学大学院人文科学研究科博士課程中退。パリ大学大学院哲学科博士課程修了。仏国文学博士(哲学)(Doc.es Lettres)。筑波大学名誉教授。仏国学術勲章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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