内容説明
今日もっとも大きな影響力をもつ人類学者の理論的主著。メラネシアのイニシエーション儀礼、カヌー、笛、小屋、仮面、編み袋、樹木、ヤム畑などの事例をもとに、私たちが自明視する人・事物・自然の対立に揺さぶりをかける。メラネシアの「社会性」とサイボーグに満ちた世界が部分的につながりあう地平を鮮やかにえがきだす、現代人類学の最高の精華。
目次
1 人類学を書く(喚起としての民族誌;複雑な社会、不完全な知識;フェミニズム批評;侵入と比較)
2 部分的つながり(木と笛は満ちみちて;中心と周辺;歴史批評;人工器官的な拡張)
著者等紹介
ストラザーン,マリリン[ストラザーン,マリリン] [Strathern,Marilyn]
ケンブリッジ大学名誉教授。社会人類学者。マンチェスター大学教授、ケンブリッジ大学ウィリアム・ワイズ社会人類学教授、同大学ガートン・カレッジのミストレスを歴任。主な研究分野はパプアニューギニア研究、英国新生殖医療研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
29
「部分的な訳者あとがき」にある通り、後半部分からジェットコースター式に面白くなり、最後の方で「切断が開示してみせるものとは関係性に他なら」ないことがカントールの塵を本書に注意深く応用した意味であることが分かり、また、図と地の反転が自己準拠的なスケールであるため「二度向けられた一つのパースペクティヴ」という視点を読者に提供する。それは、全体性や超越性に回収されない客観性(「特定の具体的な身体化/具現化」)を確保しようとするものだ。2017/07/17
☆☆☆☆☆☆☆
1
お勉強。あの薄い本がこんな分厚くなっちゃってまぁ。そして日本語で読んでもやっぱりよくわからんという。2016/03/14
みみみんみみすてぃ
1
() いったん図書館に返してしまったので、読んでおいた前半の手前の所まで。 というか、訳者あとがきをはじめのほうに読んでおいてよかったなと思うのだが、ストラザーンのこの著作は構成がすごい。非常に綺麗で、創造的で、ポエティックだ。そして「カントールの塵」には感動した。もちろん、カントールの塵がどういうものかくらいしか分からなかったけど(笑) とても特異な著作だと感じた。この本はそこまで長くないから最後まで読むぞ。2016/01/07
kys
0
評判の著者であるけれど、よく分からない。ポストモダン人類学を経てきたものには既視感があるし、共感を覚えたところもある。
斉の管仲
0
大学等で専門的に(~人類学)を学んでいる人でないと、理解は難しいだろう。レヴィ=ストロース、ベイトソンなどは、たまに出てくるけれど、彼らのどの考えを参照しているのか説明していないので、私などでは、内容は殆どわからない。学者の独り言。それでも我慢して最後まで読みました。2023/02/27