小島信夫長篇集成〈7〉菅野満子の手紙

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  • サイズ A5判/ページ数 546p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784801001176
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0393

出版社内容情報

小島はいろいろな腹話術を演じながら最後にその輪の中心の人形を壊してしまう。それは現代人の有り様を暗示しているようで、ぶち壊された小説は現実の人物からも手紙からも自立して、いなくなった作者とともに生き続ける力を得ることになる。満子が死んで五年近くも連載を続けながら、蛇行反復が特徴の小島だが、この小説は均整の取れた詩的構成を持ち、小島信夫の遺書とも言える会心の作であったに違いない。(近藤耕人「解説」より)

著者生誕100年&没後10年記念出版!
小島信夫のすべての長篇小説を網羅するシリーズ、第7回配本。
女流作家・菅野満子と夭折した「私」の兄の恋愛事件をめぐる手紙や対話、実在の人物との交流、そして過去の自作『女流』をも交錯させながら、作品世界は時間と空間の狭間を揺動し、異様な自己増殖を繰り返す。『別れる理由』に引き続き、破格の作品構造によって小説の限界に挑む小島文学の新たな展開。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yoyogi kazuo

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「女流」を読まなくても読めるが、読めるなら読んでおくに越したことはない。手紙がここには沢山出てくる。書簡文学というのだろうか。手紙でなければ表現できないものというのがあるのだろうか。編集者のM・Mからの手紙がほとんど作者自身の文章でしかないのは明らかで、それはすべての手紙について言える。小島信夫はおんな言葉で書きたかったのではないだろうか。女流小説家O・M(大庭みな子)の言葉は書いている小島信夫の嬉しさが伝わってくるようにかんじる。書きながら恍惚としている小島信夫の様子が伝わってくる。2021/07/15

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