内容説明
1950年代末のフランス、旧来の映画製作の常識を根底から覆す「新しい映画」が続々と出現した…。映画史上未曾有の大変動“ヌーヴェル・ヴァーグ”。誰もが知っているようで知らないその実態とは、一体いかなるものであったのか?時代背景、経済状況、撮影技術、監督、俳優・女優…さまざまな側面から映画革命の真相に迫る、最良の概説書。
目次
第1章 ジャーナリスティックなスローガン、新世代
第2章 批評的コンセプト
第3章 製作・配給方法
第4章 技術的実践、美学
第5章 新しいテーマと身体―登場人物と役者
第6章 国際的影響関係、今日に残る遺産
著者等紹介
マリ,ミシェル[マリ,ミシェル] [Marie,Michel]
1945年生まれ。フランス国家博士(芸術学)。パリ第三大学教授。専攻、映画史
矢橋透[ヤバセトオル]
1957年生まれ。筑波大学博士(文学)。岐阜大学教授。専攻、フランス文学、表象文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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1SSEI
1
ロケ撮影が多くて、同時録音が主流で、アドリブが多めな…ってな風にかなりぼんやりと語られがちなヌーヴェルヴァーグとは具体的に一体なんなのかということがコンパクトでありながら濃密に記された一冊。ヌーヴェルヴァーグを他の映画運動のように技術や表現方法の革新という方向だけから見てもその全体像と功績は見えてこない。もっと批評的な観点に端を発して、今となっては当たり前な映画の作家主義を達成したものこそヌーヴェルヴァーグであることなどがこれを読めば一発でわかる2018/07/18
fritzng4
1
ヌーヴェル・ヴァーグについて知りたかったらこの本を読めばいい。というほどに、当時のフランスの映画産業の状況から誕生の経緯、経済的事情、技術・美学的特性、作家・役者・スタッフたち、国際的影響、について比較的平易にまとめられている。当然ある種のムーブメントには時流が大きな影響を及ぼすものだが、ヌーヴェル・ヴァーグの背後にフランス政府の文化産業推進による助成金があることはやはり興味深い事実だ。2015/08/25
のうの
0
"2014/04/17