内容説明
なぜ、人を殺してはいけないのか?なぜ、戦争をしてはならないのか?なぜ、いじめはなくならないのか?カント道徳から、その理由と解決策が見えてくる―。
目次
プロローグ カント道徳に衝撃を受け、涙した学生たち
第1章 現状の道徳教育を「カント道徳」に転換すべきこれだけの理由
第2章 目先の幸福を追うと、かえって不幸になってしまうのはなぜか
第3章 カント道徳とはどういうものか(概観)
第4章 仮言命法と定言命法
第5章 カントの“善の定式”
第6章 躓きの石―カント形而上学と形而下学の区別と連関
第7章 “行動方針”の二重性
第8章 正義論と道徳論の区別が可能となった
第9章 モラル・ジレンマの問題を解決する
第10章 カント道徳は「修養」を必要とする
第11章 “自己支配力”をどう養うか
第12章 それにもかかわらず道徳的に生きることを嫌う人のために
エピローグ
著者等紹介
夏目研一[ナツメケンイチ]
昭和28年生まれ。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程満期修了退学。公立・私立大学の元非常勤講師。カント道徳を基礎にした道徳教育を長年提案してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ta_chanko
17
「正義」「幸福」よりも「道徳」「善・徳」を一歩優先させて考える。その答えは普遍的かつ持続可能なものであるかどうか。形而上においては、「善・徳」は絶対。形而下においては、努力義務。ふだんは「幸福」を求めて楽しんでもよいし、「善・徳」を求めて実現できなくてもよい。大切なことは、「善・徳」の実現を求めて努力し続けること。自分の「幸福」を優先させて他者と争ったり、「善・徳」などないとニヒリズムに陥ったりしてはならない。2024/11/05
乱読家 護る会支持!
6
自分の幸せを求め続ける生き方よりも、「善」「徳」を求める生き方、他者を大切にする生き方を説いたカント。 個々人が「自由」に生き、経済的裕福など「個の幸福」を求め続ければ、人間社会はいつまでも良くなりません。むしろ、自由と幸福を求め続けることは、人類全体に不幸をもたらすことになります。人間は完全には自立出来ず、相互依存せざるを得ない生き物だから。 「自分の幸せ」を目的としない、「善・徳」を目的とした生き方をしたのならば、人類は全体を考える種として一つステージをあげることが出来るように考えますね。2024/11/30
たなぼう
5
大学生に衝撃と感動を与えた講義録。第1章1節の「幸福になるために挨拶をしようでは〈普遍化〉できない」に、挨拶は決して自分の「快」や「利」を求めてするのではなく、相手への尊敬・リスペクトを示すためにするのですとある。同感!2024/09/14
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