出版社内容情報
リスキリングとは「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」であり、岸田総理が所信表明で演説して以降、国や自治体、企業などで具体的なリスキリングの流れや取り組みが始まっています。
これまでは、まだ流行語的な扱いに近かったリスキリングですが、最近では本来の「企業や自治体に実施責任がある」という意味の通り、企業や自治体からの問い合わせが増えており、各種人材系企業が対応するサービスを提供し始めた状況にあります。
本書は、リスキリングシリーズ第3弾として「リスキリング」が企業や自治体に導入するにあたり必要なことを示した一冊です。これからリスキリングを実践しようとしている企業・自治体だけでなく、リスキリングに関連するサービスを提供する人や組織にも役立つ、実践的な一冊です。
【目次】
はじめに
第1章:人的資本投資と日本の労働環境について
1 人的資本投資
1)人的資本に注目が集まる背景
2)海外企業における人的資本投資の推進
3)日本企業における人的資本投資の推進
4)人的資本投資とリスキリングの関係性
5)従業員視点からのリターンを最大化するために
2 人的資本の情報開示
1)人的資本の情報開示の世界的なトレンド
2)日本における人的資本の情報開示の取り組み
3)人的資本情報開示の評価フレーム
4)人的資本情報とリスキリング進捗状況の情報開示
3 リスキリングを定着させるための日本の労働環境と雇用慣行改革
1)リスキリングが進まない5大原因
2)技術的失業の議論再燃と生成AI
3)メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ
第2章:リスキリング導入の最新トレンド
1 今後日本での導入が期待される最新リスキリングトレンド
1)実践型アプレンティスシップ
2)グリーンリスキリングと宇宙分野
3)スキルベース雇用からスキルベース組織への移行
4)スキルテックの隆盛
5)HCM(人的資本マネジメントシステム)の活用
6)チーフラーニングオフィサーの任命と抜擢
7)技術的失業を防ぐ、生成AIへの対応
8)官民連携の仕組みづくり(3者契約等)
2 海外におけるリスキリングに対する研究や施策
1)外資系コンサルティング会社によるリスキリングへの注目
2)海外研究機関、大学によるリスキリング研究成果
3)海外における最新リスキリング施策
3 欧米のリスキリングの歴史と今後の未来
1)オンラインラーニング市場の合従連衡
2)EdTechからSkillsTechへ
第3章:チェンジマネジメントとリスキリングのプロセス
1 チェンジマネジメントの概要とリスキリング
1)ジョン・P・コッターの8プロセスとリスキリングの現状
2)ADKARモデルによる個人のチェンジマネジメントとリスキリング
2 日本の労働市場と雇用慣行を考慮した仕組みづくり
3 チェンジマネジメントとリスキリングの成功事例
4 組織がリスキリングを導入するメリット
5 組織がリスキリングを進めるステップ
第4章 組織に必要な7つのアクション
1 制度:リスキリング成功に向けたビジョンと組織設計
1)人的資本投資計画による成長事業創出に基づく人材育成
2)人事部内の連携とHCM活用
3)責任者の任命: Chief Learning Officer
4)ジョブ・アーキテクチャーのデザイン設計
2 戦略:人事部と各事業部の連携
1)HRBP(部門人事)との戦略策定
2)スキルの要件定義~Future Ski