出版社内容情報
本書はA級在位のまま29歳の若さで夭逝した村山聖九段の全対局を2巻に分けて収録する『村山聖全局集』の上巻です。
上巻に収録したのは1986年度から1991年度の対局で、貴重な奨励会時代の自戦記や、同世代としのぎを削った棋戦初優勝が掲載されています。
まえがきは村山九段を支え続けた、師匠の森信雄八段。
「第1部 村山聖の声」には、遺されている自戦記やインタビュー、講座やエッセイなどを掲載。「怪童丸」とも呼ばれた村山聖九段の肉声が現代によみがえります。
「第2部 村山聖の戦い」は村山将棋の解説です。少年時代に「打倒、谷川名人!」と目標を掲げた谷川浩司や、同世代のライバル、羽生善治や佐藤康光との戦いなど、棋士人生前半の12局を収録。不屈の闘志で盤上に挑み、「終盤は村山に聞け」とまで言われた村山将棋の魅力に迫ります。
「第3部 村山聖の棋譜」は第1部と第2部で取り上げなかった将棋を、千日手や持将棋局、非公式戦も含めて1局1ページで全局掲載しました。「棋士の魂は棋譜に宿る」とも言います。村山聖が遺した魂の棋譜をご覧になっていただきたいと思います。
内容説明
魂、ここにあり。A級在位のまま29歳の若さで夭逝した村山聖九段の全局集。上巻は貴重な奨励会時代の自戦記や、しのぎを削った同世代との対局、棋戦初優勝など。
目次
第1部 村山聖の声(村山聖の言葉1 昇段;村山聖の言葉2 順位戦の日;村山聖の声1 自戦記 二段昇段を決めた一局 ほか)
第2部 村山聖の戦い(村山聖の戦い1 A級棋士と初対局;村山聖の戦い2 C級2組1期通過;村山聖の戦い3 棋聖に逆転勝ち ほか)
第3部 村山聖の棋譜(公式戦;非公式戦)
著者等紹介
村山聖[ムラヤマサトシ]
1969年6月15日、広島県安芸郡の生まれ。1983年、森信雄七段門下、5級で奨励会入会。1986年11月、四段。1995年4月、八段。1998年8月8日、死去。翌日、追贈九段。幼いころに腎臓の難病であるネフローゼを患う。病床で覚えた将棋にのめり込み、奨励会に入会。病気による例会欠席などもある中、2年11カ月という超ハイスピードでプロ入りを果たす。第13回若獅子戦(1990年度)で棋戦初優勝。第42期王将戦(1992年度)でタイトル初挑戦。第53期順位戦(1994年度)でA級昇級。第30回早指し選手権戦(1996年度)で優勝。第56期順位戦(1997年度)でA級復帰。1997年、膀胱癌が見つかり、大手術を行う。1998年、癌が再発し、1年間休場して治療に専念する旨を発表。3月には残る対局を5連勝して休場に入る。1998年8月8日、進行性膀胱癌によって現役のまま死去。享年29歳。タイトル挑戦は1回。棋戦優勝は2回。将棋大賞は第20回(1992年度)敢闘賞と第26回(1998年度)特別賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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