出版社内容情報
６４年前のあの日、いったい何が起こったのか。 そして、女子生徒たちを海へと引きずりこんだ、幽霊の正体とは、いったい……日本で最も有名で、最も恐ろしい「幽霊事件」の全貌と真相が、今明らかになる！
内容説明
昭和３０年７月２８日―水泳の授業中に、女子中学生３６名が死亡する事故が起きた。そして、生き残ったひとりの女子生徒は言った…「防空頭巾をかぶった何十人もの女たちに足を引っ張られた」日本最恐の「幽霊事件」の真実。
目次
序章 昭和３０年７月２８日―
第１章 スケープゴート
第２章 「防空頭巾の亡霊」はどこからやってきたのか
第３章 法廷の記録と事故原因
第４章 水難事故の黒い影
第５章 週刊誌の記事がすべての発端だった
第６章 決裂と重い十字架
第７章 女子生徒たちを海に引きずり込んだ「亡霊」の正体
第８章 あの日、彼女は何を見たのか―真実の告白
終章 水難事故と震災
資料編
著者等紹介
後藤宏行［ゴトウヒロユキ］
１９７２年生まれ、岩手県出身。東洋大学文学部印度哲学科卒。現象学的ゴーストハンターとして調査執筆を行なう。公益社団法人日本シェパード犬登録協会（ＪＳＶ）本部審査員（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あーびん
26
昭和30年7月28日。絶好の海水浴日和の海岸で行われた中学校の水泳の授業。入水からわずか数分後に溺れ出す生徒が続出し、女子生徒36名が溺死するという大惨事に。「海の中から現れた防空頭巾の女たちに足をひっぱられた」事故の生き残りの女性の証言が週刊誌にのったことから痛ましい事故は怪談的な様相を帯びていく。これ、昔アンビリーバボーの再現VTRでトラウマものの怖さだったんだけれど、事件の真相を知ってびっくり。週刊誌やテレビは亡霊を捏造？当時の学校関係者に対する処罰や誹謗中傷、残された者たちの心の傷...2019/11/24
田氏
22
読んでくれた人が私と同じようにモヤモヤを感じてくれたら、と終章にある。確かにモヤモヤした。それはどちらかといえば、事件よりもこの本に対してなのだが。前半部では、事故後におきた関係者の吊し上げの、それを突き動かす正義のおぞましい姿を写像している。それ自体は怜悧で客観的に書かれているのだが、中後半に差し掛かるあたりから、筆者自身もそれと同じ力の渦に飲み込まれているように思う。正義が悪を要求し、ゆえに不可視の暗がりに悪が見いだされる。それはもはや、「われわれ」という生き物の生得的で力学的な働きなのだろうけれど。2020/08/03
くさてる
21
昭和30年に三重県の海岸で起きた女子学生36名が亡くなるという痛ましい事故。私は知らない事件だったのだけど、そこから生まれた「怪談」とその事実に迫るノンフィクション。単純な怪談話でも、それを一笑に付す内容でもなく、誠実に対象に向き合っている印象の一冊だった。当時の時代性や地域性も含め、悲劇の事故がどう消化されていくのかという過程を見た思いになりました。2019/11/09
緋莢
19
図書館本。昭和30年7月28日。三重県の中河原海岸で、中学校の生徒400名が参加する水泳の授業が行われていた。快晴で風も波も穏やかだったが、突如、溺れだす女生徒が続出し 結果的に36名が溺死するという大惨事となった。事故の原因の中に「防空頭巾をかぶった何十人もの女たちに足を引っ張られた」というものがあって…宮部みゆき『宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本』（中公新書ラクレ）で 取り上げられており、興味を惹かれた本（続く2024/04/14
ヒデキ
14
三重県の津市で昭和30年に起こった事件とそれを描いた怪談の謎に迫ります。地元の私としては、この事件について聞いていることと、怪談として聞いているこの事件は、別物として考えていました。 未だ、本当の原因は、判っていない事案ですが、そのあとの、行政の動き、マスコミの動きから、事件が、より大きく作られていったことが、判ります。しかし、自分の感想として、怪談の形で描くことで事件に関わった人や地域を守ろうとした見えない意思があったのではないかという思いでした 2020/10/30
