内容説明
お市の方の兄である織田信長と、五年の月日を共に過ごし、四人の子まで授かった夫の浅井長政が、互いに裏切りあい、憎悪をあらわに激突した。お市は信長の天下への野望に共感しながらも、この兄の滅亡を願わずにはおられない。生き抜くためには親子兄弟でさえ争わねばならなかった戦国の世を、懸命に生きようとした女性の悲劇。
著者等紹介
永井路子[ナガイミチコ]
大正14(1925)年、東京に生れる。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。昭和40年、「炎環」で第52回直木賞受賞。57年、「氷輪」で女流文学賞受賞。59年、第32回菊池寛賞受賞。63年、「雲と風と」で吉川英治文学賞受賞
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感想・レビュー
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taiko
32
波乱に満ちた信長の妹お市の方の運命、下巻。浅井長政が信長を裏切り朝倉につき、姉川の戦いへ。浅井家の女として行きたお市のイメージが強かったが、今作では、織田家の女として行きた姿が強く描かれていた。そして、勝手に優しいイメージを持っていた長政の信長とお市の間で揺れる姿が、冷たい男として描かれていたのは意外だった。清洲会議の後に柴田勝家と再婚したお市。最後まで勝家に好意を持たなかった様に描かれていたが、織田家の女として信長亡き後は、勝家と共に果てることを選んだのは納得。次はお市の娘おごうの「波紋」を読む予定。2026/02/23
フミ
22
織田信長の妹、お市の方の人生を描いた小説の下巻です。姉川、賤ケ岳などの戦略、戦術描写の細かさに「女性の作家様が!」と驚かされましたが、メインはやはり愛憎劇の方かな…。愛し合っていたのに、敵味方に分かれてしまった浅井長政との複雑な関係。娘3人の命は保証されても、処刑確実な1人息子の安否に心を痛める。姉のお犬、姪の徳姫などの人生を通して伝わる、戦国の姫の悲哀…。特に清須会議以降の、お市の方の意地は、軍人社会のコマにされる、誇り高い女性の心情を良く描いていたと思います。母そっくりな「お茶々」の姿が印象的でした。2025/07/20
のびすけ
21
戦乱の世を生きたお市の方のドラマチックな人生。とても面白かった。姉川の戦い、賤ヶ岳の戦いでは、戦国武将の妻としての立場と信長の妹としての立場の間で揺れ動くお市の心情がとてもリアルで、胸に迫るものがあった。そして、北庄城で三人の娘たちを見送るときの心情はいかばかりであったか。お市の凛とした生き様に心打たれた。大河ドラマ「豊臣兄弟」でこれからお市がどのように描かれていくのかも楽しみ。2026/03/13
鈴
16
下巻はお市の最期がわかっているだけに辛かった。お市は織田のために最後まで戦ったんだな。茶々が後に秀吉の子供を生むことに、お市はどんな気持ちで天国から見ていたのだろうと思った。2011/06/30
リリー
14
戦国時代の女性の息をもつけない状況は、市の目を通して少しだけ理解できたと思う。そして兄信長ににて強い人だった。2016/07/20




