出版社内容情報
アートディレクター・映画ライターとして各方面から引く手あまた、日本でも随一の映画の語り部・研究家、高橋ヨシキ氏の待望の映画評論集第3弾!「ツイン・ピークス」「シン・ゴジラ」ほか、未発表原稿多数収録!
内容説明
世界一美しい女子高生の死体の謎から『マッドマックス/怒りのデス・ロード』、『シン・ゴジラ』まで、信じられないほどに異様な映画の世界を切り刻み、素晴らしくも奇妙な世界を開示する気鋭のサタニスト、映画論集第三弾!
目次
第1章 世界一美しい死体から始まる『ツイン・ピークス』の深い淵
第2章 監督たち
第3章 魔女狩りについて
第4章 ヴァンパイラ ビザール・クイーン、その人生
第5章 信じ難く、ヘンテコな映画たち
第6章 緑の地獄より
終章 アメリカの魔
著者等紹介
高橋ヨシキ[タカハシヨシキ]
1969年東京生。デザイナー、ライター、サタニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
76
主に特殊なホラー映画などの映画評を集めた本。80年代「サブカル」テイストが濃厚。ハリウッド裏面史や米国テレビホラー映画事情など、ツイン・ピークス制作秘話やジョージ・ミラー監督対談など興味深く読んだ。「シン・ゴジラ」への論評は非常に納得。あの違和感の意味がようやく理解できたようだ。面白かったが戸惑いもあったのだ。マニア向け。2018/08/26
蛸
15
個々の映画評を除けば、全体を通して「アメリカの暗部」を紹介した文章が印象的。欺瞞の裏側にある真実を追い求める姿勢は多分にノワール的で、誠実さをすら感じさせる。これほどまでに雑多な題材を扱っておきながら全体の統一感が失われていないのは、著者の首尾一貫したモノの考え方のなせる技か。それは映画評にしても何にしても同じことだ。所々に表現の持つ力への信頼なんかが垣間見えるところとか本当に誠実だなあ、と。収録されている文章の中ではヴァンパイラの生涯を紹介したものと『シンゴジラ』に関する評が特に面白かった。2017/09/15
garth
6
映画秘宝2017年9月号に書評あり2017/07/16
a.k.a.Jay-V
4
昨日買って本日読了。ネットやメルマガからの再構築もありますが損をした気にならない。やはり彼がもたらす暗黒叙事詩は本の中で活きている。本作にないエピソードとしてミラー監督にマッドマックスのタトゥーを見せて宇多丸さんから世界初のおっちょこちょいと言われ、モーリーロバートソンから映画のソムリエと言われて「今度それ言ったらブン殴りますよ」と言ったり朝日新聞の取材では安倍政権を批判したり(しかもド正論。サタニストに正論言われる現政権ってどんだけなんだよとも思うが)お茶目な一面も。特約店で付いてくる限定バッチの様に。2017/07/26
De PalmaX
2
「悪魔が憐れむ歌」シリーズの通奏低音として「『文化』に内包された野蛮さ・残酷さ」という価値観があると思うが、本書は「ムカデ人間」シリーズやロブ・ゾンビ評論、「イナゴの日」評論に史上初のホラーホスト「ヴァンパイラ」評伝、そして「ツイン・ピークス」についての文章など、「アメリカ」の(ダークな)ポップカルチャーが映し出す人間・社会の闇にスポットが当てられていた。双葉社からもこのシリーズは続けていってほしい2021/01/13