出版社内容情報
ロックの本場の空気を感じるため渡米した日本人ミュージシャン・トミーこと富井仁と、気ままに旅するアフリカ系アメリカ人のジミー。ともにルート66を西へと進む途中で、限られた人間のみが存在を知る「ホテル・カリフォルニア」に迷い込んだ二人は殺人事件に巻き込まれる。連夜のパーティで歌を披露する歌姫の一人が、密室で喉に短剣を突き立てられた状態で発見されたのだ。音楽に関する知識で事件解決に乗り出すトミーだが、やがて不可思議な状況下で二人目の犠牲者が――。果たして犯人は? 方法は? そしてその目的は? 『このミステリーがすごい!』大賞・幻の応募作品が“超隠し玉”として、まさかの刊行!
内容説明
アメリカのモハーベ砂漠に聳え立つホテル・カリフォルニア。外界から閉ざされたその空間に迷い込んだトミーこと富井仁は、奇妙な殺人事件に巻き込まれる。連夜のパーティで歌を披露する歌姫の一人が、密室で死体となって発見されたのだ。音楽に関する知識で事件解決に乗り出すトミーだったが、やがて不可思議な状況下で新たな惨劇が…。果たして、繰り返される殺人事件の真相とは?
著者等紹介
村上暢[ムラカミノブ]
1980年、福岡県生まれ。東京学芸大学教育学部卒業。『このミステリーがすごい!』大賞・超隠し玉として『ホテル・カリフォルニアの殺人』によりデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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坂城 弥生
44
洋楽に詳しくないのでわからない説明や例えもあったけど、事件の根底にある悪趣味さは伝わってきた。2021/06/16
ハスゴン
33
設定には魅力を感じますが、またまたキャラクターの作り込みが足らないし、警察が安易に民間人に頼るのはいかがなものか? でも次回に期待したい作家さんです。2017/09/07
geshi
30
このミス大賞には珍しい正統派本格ミステリ。人物描写が最低限に少なく、いくらなんでももう少しキャラクターの掘り下げが出来なかったのか。奇妙な館の独自のヒエラルキー、怪しげな泊り客たち、密室殺人に対する仮説とその否定の試行錯誤、ミステリとしてのフックは揃っているし、最有力容疑者を二転三転させて興味の持続はできている。世界観も含めたトリックはイーグルスの曲のモチーフとうまく合致していて、なぜ探偵役が謎を解けるのか?のご都合主義への一応の説得力となってる。元の曲を知っていればもっと楽しめたのかもしれないなあ。2017/11/10
buchipanda3
28
彷徨った砂漠の中に忽然と現れたホテルを舞台としたミステリ長編。密室殺人、凝った物理トリックといった定番要素に音楽の知識やネタを絡めているのがユニークで楽しめた。題名の由来は70年代アメリカンロックの名曲(好きな曲)。ただ本作はあの気怠そうな雰囲気とは違って割と軽妙な感じで話が進む。トリックは凝り過ぎかと思うほどトリッキーだけど、音楽の要素を組み合わせて印象的なものに仕上げている。イーグルスの曲を聴くことで真相を解明するという突飛な探偵手法の発想も面白い。著者のミステリと音楽への強い拘りが感じられた作品。2017/08/16
たかやん
23
謎には2種類ある。気になってしょうがない謎と気にならない謎。今回は残念ながら後者。一人称が"俺"の主人公の高飛車加減に最後まで馴染めないながらも、本格ミステリは大好物なので最後までなんとか読めました。。2017/11/19