韓国の下流社会―貧困で絶望する若者たち

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  • サイズ B6判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784800256959
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0039

出版社内容情報

所得が少なすぎて税金が払えない者が全所得者の3分の1(韓国・京郷新聞)――こうした衝撃的な数字が示すように、韓国国内の経済事情は厳しい状況です。2015年ごろから韓国では「スジョ階級論」という言葉が流行っています。スジョとはスプーンのことで、金・銀・銅・土のスプーン=階級に見立て、生まれつきその階級からは逃れられないという主旨のもので、そこに韓国の若者の鬱屈が見てとれる造語です。本書は韓国の貧困と下流の現状を伝えます。

内容説明

経済崩壊、企業倒産、リストラ、若者の自殺、高齢化の波―。たちはだかる壮絶な現実。朴政権も打つ手なし逃れられない負の連鎖が国民を襲う!

目次

第1章 「絶望」を前にあきらめる若者たち(貧乏人が貧乏人を雇うことで生まれる負の連鎖;キャリアやコミュニティに悪影響を及ぼす兵役制度 ほか)
第2章 親から子へ世襲される貧困(貧困層が増え続けても暴動が起きない韓国の不思議;ソウルにも複数存在する貧困の象徴「タルトンネ」 ほか)
第3章 どこで働いても悪夢の労働環境(正規雇用への高すぎるハードル入社後も安泰なし;アルバイトも命がけ宅配ピザで死者続出の韓国 ほか)
第4章 夢なき国で若者が描く夢(銀行で学生向けローンを組み美容整形を行う大学生;売れ残った女性アーティストの悲惨な末路―夜の接待 ほか)

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

41
2016年の発行だが、貧困を取り巻く状況はそんなに変わっていないのではないか。若者を軸に取り上げているが、老人や農村部の貧困層などレポは多方面にわたる。世界的に見て類まれな競争社会の体質は今更だが、そこには韓国人ならではの“負けず嫌い”の民族気質は隠せない。10数年前に登山ブームで沸いていた韓国の山を登った時、道を譲ることもなく我先へと下山してくる人や、必死な形相で人を押しのけて登る人など、マナーも通じない登山に驚いたことがある。失業率、自殺率、出生率…『不名誉な一番』の返上を自国を棚に上げて、切に願う。2024/09/23

mazda

18
階層が固定されていて、親がどれくらいの資産を持っているかが勝負になる韓国社会。上位10社が国内GDPの75%を占めているので、中小企業などに入ったが最後、這い上がるチャンスは皆無です。国内で就職をあきらめた人たちは海外に行くことになるのですが、その受け皿として最も大きいのが以外にも日本だそうです。なぜ嫌いで嫌いで仕方ない日本に来るのか、理解に苦しみます。現在日本では移民法案が国会で審議されていますが、すでに多数受け入れをしているのですから、これ以上受け入れる必要性はないと思いますが…。2018/11/17

kenitirokikuti

7
図書館にて。元は別冊宝島なんだけど、再版するときソフトバー版に直したようだ。ソウルや釜山のスラムに関するルポを読んで、25年ほど前に修学旅行でソウルに行ったときに見た風景を思い出した。けっきょく、アレは残ったままなんだな…。若い韓国人(not在日)が実際の東京を知らないまま日本を舞台にしたマンガを描くと、すごく変になってしまうことがあるのだけど、その理由が分かった気がする。しかし、いまの若い中国人の漫画家はこういうムードないんだよな…まぁ、検閲が強大だからかもしれないが…2018/12/02

みーすけ

5
韓国の闇が浮き彫りにされているが、何故か人ごとのようにスルー出来ない。日本も近い将来同じようになってもおかしくないと思った。2019/12/21

りょうみや

4
貧困層・格差社会のルポ。日本にも同じような問題はあるが、その程度をはるかに深刻化したもの。上位層もいつ下流に転落するかわからない不安定な社会で愛国心はなく移民希望多数。若者の自殺も多く確かに未来が感じられない社会。現状のルポが中心でなぜこのような社会になっているのかの構造的な説明がほとんどないのが残念。おそらくあまり人を信用しない国民性。学歴・コネ重視で事実上生まれによる格差がかなり固定化され中間層が非常に薄いことが大きいのだろう。2016/08/14

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