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宝島社文庫
痴人の愛

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784800252371
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

質素で平凡で、時には「君子」とも呼ばれる生真面目な電気技師・河合譲治は、浅草のカフェーでナオミという美少女と運命的な出会いを果たす。ナオミの妖しげな美貌に魅せられた譲治は、彼女を自分好みの妻に育て上げようと共同生活を始めるが――。 背徳的な肉欲の奴隷へと墜ちながらも、それを悦びと感じてしまう男の数年間を描いた谷崎文学の 最高傑作が、AKB48・小島陽菜さんをカバーモデルに蘇ります。第153回芥川賞を受賞した、羽田圭介氏の鑑賞文も収録した豪華版です!

内容説明

質素で平凡で、時には「君子」とも呼ばれる生真面目な電気技師・河合譲治は、浅草のカフェーでナオミという美少女と運命的な出会いを果たす。ナオミの妖しげな美貌に魅せられた譲治は、彼女を自分好みの妻に育て上げようと共同生活を始めるが―。悪魔的な愛欲の奴隷へと堕ちながらも、それを悦びと感じてしまう男の数年間を描いた谷崎文学の最高傑作。巻末に芥川賞作家・羽田圭介氏による鑑賞文を収録。

著者等紹介

谷崎潤一郎[タニザキジュンイチロウ]
1886年、東京・日本橋生まれ。東京帝国大学(現・東京大学)国文科中退。在学中に同人雑誌『新思潮』(第二次)を創刊。同誌に発表した『刺青』などが早くから評価され、文壇に登る。当初は西欧より影響を受けた諸作を発表していたが、関東大震災後に関西に移り住んだことをきっかけに、純日本的なものへの志向を強めた。1949(昭和24)年、文化勲章受章。1965(昭和40)年、79歳にて人生の幕を閉じた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

50
谷崎自身の体験もベースにあるのでしょうか。独身で金銭的にもやや余裕のある男がカフェで見初めた少女を理想の女性に育てる、現代だとアブナイ話し、きわどい話しに成りかねないところが、ダンスを習いたい、新い着物が欲しい、もっとおいしいものが食べたい、振り回される振り回される。奉公に出された女性を引き取ったり、女中さんを住まわせることが普通にあった時代の物語。谷崎作品にこんなにおもしろい、おバカな傑作があったなんて!それにしても表紙が!作中のナオミのイメージなのか?これならバカになってしまうのも分かります、ような。2016/02/22

やまはるか

18
 谷崎は最も読んでいない作家で本作初読み。昔からテレビドラマなど多かった印象で近づき難く…。工場勤めの30代の電気技師の一人称語りで、建付けからして作り物っぽい。浮気発覚後にナオミの夫と話し合って再来を求められた浜田は「当分、…ナオミさんのことを忘れることができるまでは」来れないと言って涙を流しながら帽子を被って「さようなら」と言いざま去って行った。性欲に発する執着心が「痴人の愛」である。「これを読んで、馬鹿々々しいと思う人は笑ってください。教訓になると思う人は、いい見せしめにして下さい。」ラストの呟き2023/09/21

豆花*ずか

8
「春琴抄」の春琴とはまた違った女性。ナオミがどんどん美しくなり、西洋人にコンプレックスを持っていた譲治が「まぁ自分はナオミくらいが丁度いいか」と思っていたら!最終的には「もう自分にはナオミしかいない」と奴隷状態。この反転が見てて、教本。そして好奇心。浜田と譲治の対なるところもまた面白い。そして決して生々しい描写ではなく、ほのめかすような、ただの官能小説には留めさせない谷崎氏へ、拍手喝采。2016/06/12

K

7
ナオミみたいな女性は友達の友達にいるくらいで十分。直接的には知り合いたくない。2016/02/26

川上

6
昔読んだなぁ、谷崎のエロさパネェっす。本屋で見てびっくり、しっくりきてるね。乙だよ。こうやって文学が受け継がれていくのか。中高生が官能小説に目覚める日。ライトノベルからいきなりここ、谷崎潤一郎、うーん濃いのが出るよびゅっと。2016/02/20

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