出版社内容情報
谷中のレトロな街並みの中で、三代続くカメラ屋「今宮写真機店」。遺品整理のためにカメラの買い取りを依頼した来夏は、店主の今宮の知識に魅かれ、店でアルバイトとして働くことに。
猫が運んできたトイカメラ、十三年前に壊れたハーフサイズカメラ、ステレオカメラで撮られた写真――。店に持ち込まれるカメラにまつわる相談を、カメラオタクの今宮が次々と解決してゆく、心温まる連作ミステリー。
内容説明
東京下町の風情残る谷中にたたずむレトロカメラ店・今宮写真機店。中古のクラシックカメラを専門に扱っている三代目店主の今宮龍一とアルバイト山之内来夏の元には、さまざまな客が謎を運んでくる。カメラの修理も得意とする今宮は「修理の基本は観察です」と言い、鋭い観察力と推理力で次々と謎を解いていく―。数々の魅力的な名機とカメラを愛する人々が織り成す、心温まる連作ミステリー。
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
1974年、香川県生まれ、兵庫県育ち。神戸女子大学文学部卒、姫路獨協大学大学院言語教育研究科日本語教育専攻修了。日本語教師として7年の海外勤務を経て、第11回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉として、『婚活島戦記』(宝島社)にて2013年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
153
『クラシックカメラは、機構こそクラシックとはいえ、ちゃんと修理すれば今でも現役なんです』。谷中の『レトロな街並み』の中に店を構える『今宮写真機店』。この作品では『クラシックのフィルムカメラ』を扱う店でアルバイトを始めた主人公の来夏が触れ合っていく『カメラ』たちとお店を訪れる人たちが遭遇するミステリな物語が描かれていました。『クラシックカメラ』素人にも優しいこの作品。『クラシックカメラ』が好きな人にはたまらない一作なこの作品。『カメラの沼にずぶずぶはまっていく』、という気持ちがわかった気にもなる作品でした。2024/10/23
スズ
84
レトロカメラ店・今宮写真機店でアルバイトをしている山之内来夏は、日々様々なカメラを持ち込み・買い求めるお客様と出会い、店長の今宮と共に、カメラや写真にまつわる様々な謎を解き明かしていく。大切な人の遺品のカメラコレクションを買取に訪れた今宮と出会った来夏が、彼の店でカメラや写真に込められた様々な想いに出会っていく姿が良かった。携帯電話やデジカメの普及で、フィルムカメラを使う機会はなくなりましたが、味のある写真を撮る事が出来るという魅力を再確認しました。様々なカメラが登場し、拳銃の形をしたカメラの存在に驚いた2016/11/06
真理そら
65
シリーズ1作目。カメラどころか写真にも全く興味がないのにレトロなカメラについての薀蓄を興味深く読んだ。ステレオカメラは見たことも聞いたこともないけれど後の技術革新とのつながりに感動した。山之内来夏と今宮の恋の進展をだんご屋のおばあちゃんの勘に語らせているのが面白い。カメラにしか興味のない今宮がなぜ来夏に惹かれたのかは次巻以後明らかになるのだろう。2022/12/16
よっち
53
思い入れのあった故人のカメラ売却をきっかけに下町谷中のレトロカメラ店でバイトすることになった山之内来夏が、三代目店主の今宮とともに客が持ち込む謎を解決する連作ミステリ。中古クラシックカメラを専門に扱う落ち着いた雰囲気のお店を舞台に、優れたカメラ修理技術や知識、そして卓越した観察眼を持つ今宮と写真に関連する謎を解いたり、様々なやりとりを重ねていく中、徐々に変わってゆく来夏さんの気持ち。繊細な描写を積み重ねた末に明らかにされた事実はやや意外なものでしたが、それを乗り越えようとする二人の今後に期待したいですね。2015/11/12
坂城 弥生
48
ネットリテラシーの低い祖父さんに孫の写真アップを止めさせた方法が、なるほどと思った。ほのぼの日常ミステリー。2023/04/11
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