内容説明
東北で大地震が発生した。多くの支援活動が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして援助活動に参加する「ボランティアバス」を主催することに。行方不明になった父親の痕跡を探す姉弟に出会う女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人がそれぞれの思惑を抱えてバスに乗り合わせるが…。驚きのラストが感動に変わる!
著者等紹介
友井羊[トモイヒツジ]
1981年、群馬県生まれ。國學院大學文学部卒業後、ライターや契約社員、ニートなどを経て、第10回『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞を受賞、『僕はお父さんを訴えます』にて2012年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
182
平和な感じのするタイトルやあらすじを読んで「どうして、こういう作品がミステリーなんだろう?」と疑問を持ち、読み始めましたが、なるほど、確かに‘ミステリー’でした。しかも、私が大好きな人情をからめたハートフルな作品でコレは良かったです。地震で被害を受けた地に復興支援のため、ボランティアバスに乗り込んだメンバーのそれぞれの目線、状況から語られる連作集なので飽きずに読むことができ、テンポもいいです。震災をテーマにあつかった作品なので、変にネガティヴになりすぎないかと思いましたが、スカっと感動でしめてくれました。2015/12/05
machi☺︎︎゛
137
東北で発生した大地震のボランティアに参加するため様々な事情でボランティアバスに乗り込む人たちの連作短編集。あれ?どうゆう事⁇って箇所が何ヶ所かあったけど読み流していたら最後に全部繋がって感動に変わった。意外と知らなかったボランティアの内情や現実が分かって今までとは違う感情がうまれた。2020/04/25
ゴンゾウ@新潮部
115
震災、そしてボランティア、とてもセンシティブなテーマを扱っている。震災に対する思いは十人十色だと思う。このことを題材にすること自体に賛否両論あると思う。誰かがしなければ議論にもならない。あの日の記憶が薄れていく中でもう一度考えるきっかけになった。2019/01/31
mocha
115
やられました。これまで叙述トリックというのはあまり後味が良くなかったけれど、この作品は騙されて嬉しい。ボランティアバスの参加者を主人公にした短編で、ひとりひとりにそれぞれのドラマがあり、軽いミステリーかと思わせておいて・・・読後、そんなとこにも仕掛けがあったのか!とページを繰り直す。そして“恩送り”という言葉に重みが増してくる。ボランティアについての勉強にもなりました。2015/11/16
たるき( ´ ▽ ` )ノ
96
とても気になっていた一冊。いろいろ考えさせられたし、「え!?」と思わず声をあげたくなるような仕掛けに驚かされた!なにより、人と人との心のつながりを感じられる、あたたかい作品だった。読んで良かった。2015/05/18