オール・イン

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784800219374
  • NDC分類 796
  • Cコード C0076

内容説明

天才少年と呼ばれた小学生時代、地獄の三段リーグ、幻と消えた「名人」の夢、そして「舌がん」の宣告―「将棋」にすべてを賭けた男の赤裸々な手記!

目次

1章 黄金の駒
2章 はるかなる名人位
3章 死闘―三段リーグ1
4章 盤死―三段リーグ2
5章 宣告
6章 出発

著者等紹介

天野貴元[アマノヨシモト]
1985年東京都生まれ。6歳のとき将棋と出会い、名門「八王子将棋クラブ」で腕を磨く。小学生将棋名人戦で準優勝し、96年にプロ棋士の養成機関である奨励会に入会。16歳で三段に昇段するが、プロ入り(四段昇段)を目前にしながら年齢制限により26歳で奨励会を退会する。その後一般企業に入社するが、2013年にステージ4の「舌がん」と宣告され、舌の摘出手術を行う。現在、がんと闘いながら将棋の普及活動に携わり、アマチュア棋戦でも活躍している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

むーちゃん

93
読んでるとき、ちょっと怖くなった。 なんと表現すればいいのかわからないですが、これからの人生、息子の人生にも同じような葛藤が出てくるのではないかと。プロ野球選手の戦力外の話よりもよりリアリティーがありかつ怖い。 藤井四冠の影には、やはりこのようなサイドストーリーも多数ありますよね。2022/02/07

ネギっ子gen

64
【人生を「読む」のは将棋より遥かに難しい】プロ棋士を目指す若者らが人生を賭ける「奨励会」。天才少年と呼ばれ小学生名人戦で準優勝し16歳で三段に昇段した著者は、26歳で年齢制限により退会を余儀なくされた。その1年後、舌癌の診断を受け――。<28歳で中卒、資格なし、言語障害という、将棋で言うなら「序盤で王手飛車」級のビハインドを背負ってしまっている僕だが、快心の逆転劇を連発していたあの黄金の日々の記憶を支えに、これからも攻める姿勢で生きていきたい>と本書で書いた1年後、著者は30歳の若さで天に召された――。⇒2023/08/15

キク

59
「鬼の棲家」と言われる3段リーグを突破してプロ棋士になれる奨励会員は年間4名だけだ。ポーカーで全額ベットすることを「オールイン」という。この本の著者は有金どころか、自分の青春と人生の可能性全てを将棋に賭けて、夢に敗れた。将棋が全てだった若者が書いたのだから、文章としては将棋専門誌編集長だった大崎善生が書いた「将棋の子」には全然及ばない。でも、やったものだけの凄みがある。その凄みを、僕は手に入れることができない。「第二の人生でもう一度オールインだ」と書いた著者はその一年後、30歳の若さで天へと駆けていった。2023/08/24

R

37
プロ棋士への登竜門三段リーグについて、実録で語った本でした。著者がいわゆる元奨という人物で、相当の実力があり、天才ともてはやされながら殴りこみをかけた三段リーグでどのようなものを見たか、どう過ごしたかが克明に描かれていて凄い面白かった。同時期に、現在A級含め、凄まじく活躍している棋士ばかりだったのも驚くところながら、この世界の狂気めいたものが見え隠れして面白すぎる。ドロップアウトしてから、苦難の日々が続いて、その中で自分を構築していく様が感動的でした。面白い本でした。ありがとう。2017/08/09

はじめさん

26
2015年に30歳の若さで亡くなられた、将棋トップアマ、天野貴元氏の回顧録。名門将棋道場で天才、神童の呼び名を欲しいままにし、若干16歳で鬼が潜むと囁かれる、半年に2人しかあがれない三段リーグ入り。周りは26歳の年齢制限にピリピリする20代棋士。三期(1年半)もあれば、俺もプロになれるだろう。悪い先輩から飲む・打つ・買うの遊びを教わった若造が陥る、終わらない修羅の世界。ギリギリまで粘る者、見切りをつけ退会してゆく者。天野氏は退会後、普及活動をライフワークに掲げるが、病魔に蝕まれ…。/ 楽しむ対局の対極。2017/09/16

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