出版社内容情報
学生時代のトラウマで引きこもっている花子。バイト先のコンビニと家を往復する虚しい日々を送る蓮。
花を育てるだけの地味なスマホゲームで出会った二人は次第に惹かれ合い、現実でもデートを重ねるようになるのだが……花子にはその記憶がない。
なぜなら家から出ていないのだから。だが蓮からは毎回、デートをしたことを裏付けるメッセージが送られてくる。
――デートに行っている「私」は一体誰なのか?
京都と4.7インチの世界を舞台に描かれる切なく温かい青春ミステリー。
タイトルの意味がわかったとき、きっとあなたの運命の一冊になる。
内容説明
学生時代のトラウマで引きこもっている21歳の花子。バイト先のコンビニと家を往復するだけのフリーターの蓮。スマホゲームで出会った二人は惹かれ合い、現実でもデートを重ねるようになるが…花子にはその記憶がない。だが蓮からはデートしたことを裏付けるメッセージが送られてくる。デートに行っている「私」は一体誰なのか―?京都を舞台に描かれる、切なく温かい青春ミステリー。
著者等紹介
木爾チレン[キナチレン]
1987年生まれ。京都府出身。大学4年生の時に応募した『溶けたらしぼんだ。』が第9回R‐18文学賞(新潮社)優秀賞を受賞。その後『静電気と、未夜子の無意識。』(幻冬舎)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
75
引きこもりの花子とフリーターの蓮。スマホゲームを通して二人は知り合い惹かれ合う。そして現実でもデートを重ねるように。だが花子にはその記憶がない。デートに行っている「私」は誰?中村佑介の表紙イラストに惹かれて、本を手に取る。ちょっとミステリアスな設定をしている恋愛小説。途中で察したことが当たっていて、仕掛けはそう捻ったものではない。真相より、構成の美しさで読ませる作品に思う。そこらへん凝ってるし、読み終わるとタイトルの意味もわかる。文章が素朴で読みやすくデートシーンが楽しく、素直な気持ちになって本を閉じる。2023/03/06
まあか
57
恋をすることによって得られるパワーの凄さを思い知る。とにかくただただ生きているだけの日々が、一気に華やかになって、生きていたいと強く思うようになる。やっぱり恋って素敵だ!運命の人に出会って、両思いになれたときの喜びと幸せ。こんなにハッピーな出来事って、ないよね!!文章も読みやすく、幸せになれる一冊!2023/05/24
えりこんぐ
39
初読み作家さん。デートの記憶がないってまさかね..と思ってた予想通りで拍子抜け。『青春ミステリー』だから何か仕掛けがあるのかな?と期待しただけに残念。今回は合わなかった様です。【積読4】2024/01/12
もぐもぐ
39
同級生からのいじめによるトラウマで高校卒業以来部屋から出られなくなった花子と、フリーターで夢を持てない蓮が、スマホゲームを通して出会う。素直な展開や二人が恋していく様、そして花子が前を向く姿、どれもとてもハートフルで気持ちよく読めました。タイトルもなるほど、と。中村佑介さんの装画も素敵✨2023/09/12
よっち
39
高校時代の人間関係のトラウマをきっかけに、家から出られなくなり引きこもっていた花子。唯一の外との繋がりだったゲームアプリを通じてフリーターのレンと運命的な出会いを果たす恋の物語。積み重ねた二人の交流によって育まれてゆく想いと会う約束。緊張のあまり気を失う花子と、会っていないはずなのにいつのまにか増えていくレンとの思い出。お互い自信がなくて不安を隠せない二人を密かに支えてくれた存在があって、二人を繋ぐ運命的な繋がりもあって、過去を乗り越えた二人が勇気を持って一歩踏み出して未来に繋がってゆく素敵な物語でした。2023/02/07