内容説明
宇宙論の決定版ロングセラー、待望の文庫化!古代から現代に至る宇宙観の変遷をたどり、人間が宇宙の真の姿をひもといてきた様子を物語のように描きます。古代インドの奇妙な宇宙観、コペルニクスによる宇宙像の大転換、アインシュタインが描いた宇宙、そして最新の「11次元時空」の仮説まで、平易な図解を添えてわかりやすく解説。長崎訓子さんの味わい深いイラストも必見。
目次
第1夜 ひとはなぜ宇宙を想うのか
第2夜 神の手による宇宙の創造
第3夜 合理的な宇宙観の誕生
第4夜 天動説から地動説への大転換
第5夜 広大な銀河宇宙の世界へ
第6夜 ビッグバン宇宙論の登場
第7夜 新たな謎と革命的宇宙モデル
著者等紹介
佐藤勝彦[サトウカツヒコ]
1945年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。現在、東京大学名誉教授、大学共同利用機関法人自然科学研究機構機構長、明星大学理工学部客員教授。理学博士。専攻は宇宙論・宇宙物理学。「インフレーション理論」をアメリカのグースと独立に提唱、国際天文学連合宇宙論委員会委員長を務めるなど、その功績は世界的に広く知られる。1989年井上学術賞、1990年仁科記念賞受賞。2002年紫綬褒章受章。2010年学士院賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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夜空を見上げよう本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
153
最新宇宙論のトピックが読めるのかと思ったら、大半は科学史の話だった。期待通りではなかったが面白かった。ガリレオ宗教裁判は科学対宗教ではなかった。宗教対宗教、科学対科学の戦いだった。ということもよくわかる。ガリレオはケプラーの楕円軌道を否定したのだった。神は楕円のような軌道を作るはずが無い・・・と。2018/01/28
かいてぃ〜
24
私は元々文系の人間で物理は大の苦手。やはりそれでも、宇宙に惹かれる部分もある。宇宙はどうやって出来たのか?どれ程広がっていくのか?単純に疑問に思うのは、やはりロマンなのだろうか。夜、仕事帰りに息子を保育園から引き取り 手を繋いで帰宅する時、夜空を見ながら純粋な壮大な気持ちになる。ありのままを受け止めよう、だって、宇宙はまだ95%,も解明されていないのだから、ワクワクするじゃない!もっとワクワクに生きなきゃ。やっぱロマンだなぁ、宇宙は。 2017/12/22
♡kana*
20
最近、宇宙ブーム(笑) 【夜来たる】読みたいっ! ゴーギャンの【我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか】 【宇宙の九五%は正体不明の物質やエネルギーからできている】【二〇%強は「光や電波を出さないので観測はできないが、重さのある物質」暗黒物質】【七〇%強は「全宇宙に満ちている謎のエネルギー」暗黒エネルギー】 やっぱり、「文系」「理系」っていう括りは、拘る意味ないよね。どっちも必要で、繋がっているものだから。宇宙って面白い!ドップラー効果、好き(笑)2015/08/11
yw_revolution
11
時代が進むにつれてだんだん内容が高度になるけど、専門外の人をけむに巻くような数式を一切端折っているので自分のような素人でも最新の宇宙論の内容をつかむことができました。 それにしても、天動説を覆して、どうもビッグバンは確かにあったようだと分かった現代でも「神様が宇宙を作った」という所から実はまだ完全に抜け出していないんですね。2014/02/01
isao_key
11
日本の宇宙学の泰斗佐藤勝彦先生による宇宙の誕生から古代人たちの宇宙観、現在まで分かっている事柄についてを説明してくれる。これまで「相対性理論を楽しむ本」「量子論を楽しみ本」の監修による本を2冊読み、できる限り科学や物理に不案内な人にやさしく解説してくれる素晴らしい先生だと思っていたが、この本も期待を裏切らない優れた一冊であった。特に20世紀以前に人類が思い描いていた宇宙についての歴史の流れについて幅広い知識で興味を駆り立ててくれる。また第3夜のコラムで理系と文系に分けるとこの愚を述べているのはその通り。2013/10/18