内容説明
「タオ」として欧米にも深い影響を与えている老子の教えを斬新な解釈で贈る。
目次
ものごとは常に変化する。あなた自身もそうだ。
言葉に縛りつけられるな。言葉を縛りつけるな。
確かなものにすがろうとするから不安になる。あやうさを生きよ。
あやうい状態からこの豊かな世界が生まれた。
この世界にはもともと、善悪も優劣もない。
言葉で世界を切り分けようとするな。
支配者が頭を回さなければ、うまく治まる。
「道」とは、ものごとを成り立たせる不可思議な力。
よく生きるには、感性を豊かにすればよい。
自らの内なる声に従え。〔ほか〕
著者等紹介
安冨歩[ヤストミアユム]
東京大学東洋文化研究所教授。1963年生まれ。京都大学経済学部卒業後、株式会社住友銀行勤務。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ネジ
42
★★★☆☆ 老子の思想の超訳。抽象的な内容であり、難しいと感じた。仏教の思想にリンクする部分があると感じたが、もう少し背景など知ってから、あるいは仏教と比較しながら読めるようになりたい。 ①物事は生まれては絶えず変化しやがて滅ぶものであり、恐れる必要は無い。 ②人間は言葉に縛られて世界をありのままの姿で見ることが出来なくなった。 ③老子は無数の解釈本があり、訳すことが難しい。2023/12/17
大先生
11
んー、内容は分かりやすいと思いますが、どうもしっくりきません。例えば「天網恢恢疎にして漏らさず」のままの方が良くないですか?(笑)【優れた人、劣った人、豊かな人、貧しい人がいるのではない。誰かを優れていると思うから誰かが劣っているということになり、誰かを豊かだと思うから誰かが貧しいということになる。他人を知る者は智慧者であるが、 自らを知る者はそれを凌ぐ明智である。人に勝つ者は有力者であるが、自らに勝つ者はそれを凌ぐ強者である。足るを知る者が富豪である。死んでも忘れられない者が、本当の意味で長寿である。】2025/03/11
kyoko
8
リクエストして図書館で買ってもらった。動画で安富先生の解説を見ていたけど、ゆっくり文章で読むとやはり深い。そしてひとつひとつを身近に感じることができる。また何度でも読みたい本だ。2019/09/28
PARO
3
曲ったものこそが完全となる。言葉で区分、区別している。無為。柔弱なものは生の仲間。固くこわばったものは死の仲間。2025/02/20
百栗豆茶
3
安富歩さんは不思議な人ですが、この本は老子を老子らしく伝える良書だと思います。本書の基本は第一章の超訳にあると言う。「もしかするとあなたは、目の前にあるものごとを、確かにそこにある、と思い込んでいるかもしれない。しかし、どんなに避けがたいと、あなたが思い込んでいることでも、やがて消え去り、あるいは変化する。どんなことでも、どんなものでも、いつどうなるかわからない、開かれたものとして、そこにある。ものごとは変化し、生まれては滅ぶ。その危うさを恐れる必要はない」。大器は晩成しない。興味深い本だと思います。2024/04/04