内容説明
増え続ける孤立死、自殺。その後始末を行う「隊長」。「死」を通じて「生」が見えてくる。人気ブログ『特殊清掃「戦う男たち」』の書籍化。
目次
第1章 悼む
第2章 憂える
第3章 懐かしむ
第4章 感謝する
第5章 闘う
第6章 生きる
著者等紹介
特掃隊長[トクソウタイチョウ]
ヒューマンケア株式会社ライフケア事業部所属。1992年から遺体処置・湯灌納棺・遺体搬送・遺品処理・ゴミ処分・特殊清掃・消臭消毒・害虫駆除業務に従事し、現在は特殊清掃部門を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GAKU
69
特殊清掃関係のノンフィクションは何冊か読みましたが、読む度にこの仕事をしている方々には頭が下がります。自分は絶対無理です。どれも悲惨ですが、やはり入浴中の孤独死が一番悲惨ですかね。ブログ掲載の抜粋を本にしたので、現場の状況とかは比較的ソフトに書かれていたような気がします。何冊か読んだこの手のノンフィクションでは、「事件現場清掃人が行く」が今のところ私のベストです。 2018/06/08
kinkin
57
死体と向き合う仕事の話ということでどちらかというと野次馬的な本かと思っていたが実は違っていた。本で読む何十倍も何百倍も現場は壮絶なものに違いない。その現場を何事もなかったように始末するのが著者の仕事だ。病院が死と直面する場所だとしたら、この現場はもしかすると死とはなにか、死は何を残したのかに直面する場所ではないか、これから無縁社会が進むとこのような仕事があっても、その処理すら依頼されない死も増えるに違いない。2015/05/02
えっくん
54
★★★★☆遺体痕清掃、遺品整理など過酷で凄惨な現場の特殊清掃を営む著者のブログを書籍化。著者が汚腐呂(おふろ)、汚腐団(おふとん)と呼称しているように想像を絶する腐臭漂う現場なのでしょう。何日も発見されずに孤独死した人、自死する日までカレンダーに〇×△の日毎の評価を記入した人など様々な死を間近に見てきた著者が達観したのは、人生を「偶然という名の必然に支配された現実という名の無限」という死生観や哲学が心に響きました。命の有限性を悟り、感謝と喜びで今を真剣に生きる事が大切と繰返し言及していたことが印象的です。2018/05/09
も
42
亡くなった方の遺体痕処理および現場清掃、遺品処理などを請け負う特殊清掃者のブログをまとめた1冊。サラサラと読めてしまうほど軽いタッチで書かれてはいますが、なかなか壮絶な現場の話が多いのです。人生もいろいろだけれど、人生の幕の下ろし方も本当に人それぞれですね。「○△×」は胸が苦しくなりました。2015/06/22
キムチ
38
この類、数冊読んできた。「現場の人」でないと語れない哲学が淡々と綴られており、ひりつく。綺麗ごとでない世界、当然でありながら人が触れたがらない事柄が山積み。超高齢、独居が急増していく社会、それ以外でも心が病む要因が多い現代、「レールから外れてしまう」自らの処し方がこう行った事で供養される事を一人でも多くの人は知らなければと感じた。人生はマラソン、ギャンブル、街道、死ぬまで生きることは宿命であり、責務。擬似的に自らの死を己に近づけると薄暗い「今」がクリアーになり、人生に喝が入れられる・・といった表現に共感。2014/10/04
-
- 電子書籍
- なまいきリトルプリンス 分冊版 10 …