内容説明
ナショナル、ローカル、リージョナル―多民族国家インドネシアにおける教育のダイナミズム!2億8千万の人口を擁し、群島国家かつ多民族・多宗教国家である東南アジアの大国インドネシア。そこでは、国を一つの国民国家として取りまとめる国家法のみならず、慣習法や宗教法などの規範が機能し、地域社会を取り巻く複雑な法体系が形成されている。本書は、少年非行をめぐる諸問題を切り口とし、国家法(フクム)・慣習法(アダット)・イスラーム法(シャリーア)という多元的な法が交差する場で展開する非行の実態と、少年の更生にかかわる人々の教育的営みを描いた挑戦的研究の書!
目次
序章 研究の課題と方法
第1部 少年非行と国家―フクムからのアプローチ(インドネシアにおける少年司法の歴史的展開;少年刑事司法制度法下の少年司法―修復的司法の導入;少年刑事司法制度法下の少年処遇の実態(1)―ダイバージョンによる事件解決
少年刑事司法制度法下の少年処遇の実態(2)―刑事施設における更生支援)
第2部 少年非行と慣習・宗教―アダットおよびイスラームからのアプローチ(ムシャワラを通じた問題解決と更生支援;タレカットのプサントレンにおける更生支援―スルヤラヤの青少年更生施設イナバの展開)
第3部 非行・更生・教育をめぐる意味の展開―少年たちの語りから(少年たちの語りとその解釈)
終章
著者等紹介
神内陽子[ジンナイヨウコ]
1986年香川県生まれ。2019年名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程 単位取得満期退学。博士(教育学)。県立愛知看護専門学校、愛知工業大学、南山大学、ディポネゴロ大学などでの非常勤講師を経て、2023年より名古屋大学大学院教育発達科学研究科助教(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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