内容説明
原発の誘致と拒否―その選択を分けた要因は何か?1960年代に共に原発建設計画が立ち上がった新潟県の巻町と柏崎市は、それぞれ住民投票による計画白紙撤回(巻町)と住民投票実施に至らず原発誕生(柏崎市)という異なる経路をたどった。本書は、このような経路を分かつ地方政治の独自のメカニズムを明らかにしつつ、巻町住民投票の事例に深く切り込むことで、より直接的に住民たちの声が政治に届く「根源的民主主義」の萌芽を見出す。地域社会と国政との狭間にある葛藤の中で揺れ動くローカルレジームのダイナミズムを描いた先駆的名著に、3.11後の追加調査に基づく増補論文も収録した増補第2版!
目次
第1章 「巻町」という事件と戦後地域史
第2章 「角栄の風土」の原発都市
第3章 「西蒲選挙」の町の住民投票
第4章 巻・柏崎の対照的選択とレジーム移行
第5章 「実行する会」という仕掛け
第6章 根源的民主主義の細道
増補論文:原発立地自治体の連続と変容
著者等紹介
中澤秀雄[ナカザワヒデオ]
1971年生まれ。現在、上智大学総合人間科学部社会学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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