内容説明
特異な連邦制国家インドで繰り広げられる、教育政策決定の権限をめぐる中央と州の相克。13億もの人口を擁し、宗教・言語・民族的にも多様性に富むインドでは、「インド人」としての国民統合を果たすため連邦制が採用されている。他方、インドの連邦制は「中央集権的連邦制」とも呼ばれ、各政策決定に中央政府が一定の権限を有する特異なものだ―。本書では、グローバリズムが進展した1990年代以降、教員資格や入試など各制度の政策決定権をめぐって顕在化した、中央‐州両政府間の緊張関係を明らかにする。インド教育制度の複雑な仕組みを丁寧に解きほぐし、その体系的な分析を行った類書なき一冊。
目次
序章 研究の目的と課題
第1章 インド高等教育制度の成立過程
第2章 高等教育機関をめぐる連邦政府の動向
第3章 大学教員資格試験制度の展開
第4章 大学入学者選抜制度の展開
終章 連邦制国家インドにおける高等教育の展開
著者等紹介
渡辺雅幸[ワタナベマサユキ]
1981年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(教育学)。比較教育学専攻。日本学術振興会特別研究員(DC2)、京都大学大学院教育学研究科助教、京都大学学際融合教育研究推進センター地域連携教育研究推進ユニット特定講師を経て、現在、びわこ学院大学教育福祉学部子ども学科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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