内容説明
明治後期頃、国家公認の教育理念として確立された、女性のあるべき姿としての「良妻賢母」。その後、大正期に西洋的なリベラル思想が流入したことで、従来の家族主義的な女性観から脱却、女性の政治・社会進出が唱えられるようになり「良妻賢母」像も移り変わった―。本書は、当時の女学校の教科書、校長訓話、校訓・生徒心得、寄宿舎での生活の一次史資料の分析を通して、良妻賢母教育の実態および女子生徒側のその受容を明らかにし、わが国に底流する男女不平等主義的な精神文化の一端を浮かび上がらせた一冊。
目次
序章
第1章 良妻賢母理念の形成と女子中等教育制度
第2章 明治後期の高等女学校修身教科書に見る良妻賢母的素養
第3章 明治後期の学校生活における良妻賢母教育
第4章 「婦人問題」の登場と良妻賢母理念の変容
第5章 大正・昭和初期の修身教科書に見る女性像の変容
第6章 大正・昭和初期の学校生活における女子中等教育
終章
著者等紹介
姜華[キョウカ]
日本工学院八王子専門学校専任教員。早稲田大学教育学研究科教育基礎学専攻博士課程修了。博士(教育学)。早稲田大学・豊岡短期大学通信教育部非常勤講(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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