内容説明
南スーダン、バングラディッシュ、アルジェリア、武漢…グローバル化に伴い世界中で活躍する在外邦人はテロ、暴動、パンデミックなどの様々な危険に巻き込まれるようになった。しかし、法治国家日本の現行法制下では有事状況での邦人救出は不可能に近い。本書は、邦人保護・救出の足枷となってきた国内法上の問題点と国際法との関係を明確化し、他国事例と比較した。その上で、近い将来発生しかねない朝鮮半島と台湾海峡の有事における綿密なシミュレーションを行い、有事前の迅速かつ安全な邦人退避活動を模索・提案する力作。
目次
序論 本書の課題と論点
第1章 自衛隊法及び日本国憲法上の評価
第2章 在外自国民保護の国際法上の評価
第3章 諸外国の国内法制及び運用並びに国際協働の試み
第4章 日本の現地大使館・領事館の対応
第5章 朝鮮半島有事における課題と方策
第6章 台湾海峡有事における課題と方策
第7章 朝鮮半島及び台湾海峡有事における退避活動―想定されるモデルケースの検討
結論 迅速な退避活動に向けて
関連法規資料
著者等紹介
武田康裕[タケダヤスヒロ]
防衛大学校名誉教授、慶応義塾大学グローバルリサーチインスティテュート客員上席所員。1956年、愛知県生まれ。北海道大学法学部卒業。東京大学総合文化研究科博士課程中退(博士(学術))。ハーバード大学国際問題研究所客員研究員、防衛大学校講師、准教授、教授を経て2021年から現職。専門は、国際関係論、比較政治、アジア安全保障論。著書に『民主化の比較政治―東アジア諸国の体制変動過程』(2001年/大平正芳記念賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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