内容説明
教育のグローバル化が謳われて久しい一方、今日の国際情勢は、極右勢力やポピュリストの台頭、移民・難民問題、米中貿易摩擦とその各国への影響といった新たな次元に達している。人は資源とみなされ、その教育もモノとして今や市場に組み込まれている。本書は、教育の経済化ないし企業化として世銀やOECD、WTO、国連、NGOなどの国際機関から質的・量的な効率化を迫られ、様々な教育方法としてEラーニングの台頭、国内の伝統的教育と世界教育基準との葛藤などに言及、グローバル化を概念化する教育の実態を包括的に描いた最新必読文献である。
目次
第1章 教育のグローバル化
第2章 世界銀行―経済教育モデル、教育の経済化、監査国家
第3章 世界教育省と人権教育―OECDと国際連合
第4章 世界貿易機関と高等教育のグローバル化
第5章 グローバルな教育の企業化―利潤獲得の機会と企業化への抵抗
第6章 宗教教育モデルと土着教育モデル―文明の衝突?
第7章 グローバルな労働力―人口移動と「才能のオークション」
第8章 グローバリゼーションと複合思考―教育のグローバル化の理論は存在するのか?
著者等紹介
スプリング,ジョエル[スプリング,ジョエル] [Spring,Joel]
ニューヨーク市立大学クイーンズ・カレッジ教授。ウィスコンシン大学マディソン校博士課程修了。アメリカ教育史、教育政治学、教育とグローバル化、多文化教育などを研究し、20冊以上の書籍を出版している。『アメリカの教育(American Education)』が20版、『アメリカの学校(The American School)』は10版を重ねるなど、教科書でありながら批判的な視点から鋭く分析する著作は、多くの読者を米国内外で獲得している。本書でも、まさにそうした著者のスタイルが大いに発揮されている。スプリング教授はネイティブ・アメリカンのルーツを持ち、ネイティブ・アメリカンの歴史や文化に関する著作もある
北村友人[キタムラユウト]
東京大学大学院教育学研究科教授。カリフォルニア大学ロサンゼルス校博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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