内容説明
インターネットメディアが発達した今日、言語と画像がモニターの上を覆いつくしている。人間は、言語や画像という媒介を通して、どのように「意味」を認識するのだろうか。本書は、プラトン、デカルト、ロック、カントら古代から近代に至る哲学、ソシュールの言語学、フッサールの現象学など、表象に関わる知的体系の中に20世紀フランスの哲学者メルロ=ポンティの思想を配置し、表現媒体としての「言語」と「絵画」の持つ意味について考察する。表現媒体としての「絵画」の流動性・多義性、および「経験」という新たな項の重要性を指摘した労作。
目次
第1章 古典的哲学における表象の理論(プラトンのイデア論;エピクロス―エイドーラによる視覚論 ほか)
第2章 ソシュール言語学とメルロ=ポンティの解釈(分類と差異―アリストテレスの「定義」を手がかりに;ソシュールの言語理論)
第3章 現象学の諸問題(記号・表現・意味;言語的意味と前言語的意味 ほか)
第4章 メルロ=ポンティの絵画論(描くことの前提としての知覚;絵を描くこと ほか)
まとめ:言語的表象と絵画的表象、連合関係
振り返りとさらなる問題
著者等紹介
小熊正久[オグママサヒサ]
1951年、新潟県生まれ。東北大学大学院満期退学。博士(文学)。山形大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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